1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61540596
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
尾崎 正陽 熊本大学, 理学部, 助教授 (50040118)
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Keywords | 拡散 / 遷移元素 / 硫化鉱物 / 閃亜鉛鉱 / トレーサー / 硫黄分圧 / 炭酸塩鉱物 / 珪酸塩鉱物 / 角閃石 / 単斜輝石 / 苦灰質岩 / 分配 |
Research Abstract |
1.硫化鉱物中の遷移元素の拡散 硫化鉱物中の遷移元素の拡散定数をトレーサー法により求め, その結果を天然産鉱石の化学組成の累帯に対応させて鉱床が受けてきた熱的変遷を考察した. 実験方法:研磨した閃亜鉛鉱結晶面にMn, Fe, Co, Ni, Znの放射性同位体液体を塗布し, シリカ管中へ真空封入後900°C〜700°Cに加熱する. 実験処理後の結晶片を切片法により切削した試料粉末のβ線, γ線の線量を測定して拡散定数を算出した. 実験の結果:閃亜鉛鉱中の元素の拡散について, 次の結果を得た. Co-60の拡散は結晶方位により差異があり, (110)面に平行な方向の拡散速度は(110)面に垂直な方向より約2倍の速度がある. 硫黄分圧の相違の遷移金属の拡散への影響は, 硫黄分圧が高くなるに伴い拡散速度は低下する. 例えば, Fe_<1-x>S-FeS_2バッファー下のFe-59の拡散定数はFe-FeSバッファー下におけるそれの1/10〜1/30の値である. 2.炭酸塩鉱物・珪酸塩鉱物の元素の拡散 天然の石灰質岩, 苦灰質岩とこれを貫く石英および珪酸塩鉱物細脈における鉱物種の累帯および個々の鉱物の化学組成の累帯を検討し, 炭酸塩鉱物および珪酸塩鉱物の元素の拡散について考察した. 苦灰質岩を切る方解石・角閃石・単斜輝石・カンラン石・蛇紋石・滑石脈における累帯は, 脈の中心から外側へ向って単斜輝石・カンラン石→角閃石→雲母・蛇紋石→滑石→方解石→苦灰質岩の配列を示すものが多い. 角閃石のFeおよびAlの含有量は脈中央部で高く, 脈の外縁部へ向って低下する. また角閃石と単斜輝石とのFe, Alの分配は, Feは角閃石<単斜輝石であり, Alは角閃石>単斜輝石である.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] MIZUTA, Toshio: Econ. Geol.83. (1988)
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[Publications] MIZUTA, Toshio: Econ. Geol.83. (1988)
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[Publications] MIZUTA, Toshio: Mining Geol.38. (1988)