1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61550008
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
山口 益弘 横国大, 工学部, 助教授 (10018046)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末沢 慶孝 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (30143738)
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Keywords | 金属水素化物 / 水素吸蔵用合金 / 磁性 / 電気抵抗 / 稀土類元素 / 水素 |
Research Abstract |
金属や金属間化合物に平衝濃度以上の水素を吸収させて、電磁気的性質を広範囲に変化させ、新材料を開発することが本研究の目的である。本年度は高圧水素下での水素化合物の形成と物性値の測定法を確立することを目差し、次のような成果を得ることができた。 1.金属間化合物La【Ni_5】,La【Co_5】,FeTi,【Y_2】【Co_7】などのフラッシュ蒸着膜を高圧水素下で水素吸収反応させ、微粉化しない水素化物試料を得た。 2.この方法で作製した試料について、水素雰囲気(5MPaまで)で電気抵抗・ホール係数・熱起電力などを測定する方法を確立した。 3.La【Ni_5】,La【Co_5】,【Y_2】【Co_7】などの電気抵抗の水素圧力依存性を測定した。これらの材料は水素濃度の増加につれて抵抗は増える。また、FeTiでは水素吸収により抵抗は減少する。これらの結果を水素化によるバンド構造の変化に関連づけて議論することができた。 4.La【Ni_5】,La【Co_5】,FeTiなどの水素化物のホール係数をはじめて得ることができた。いずれも、負のホール係数を示した。 5.同様の方法によって、【Mg_2】No【H_4】の膜を作製した。この材料は半導性を示すので、今後、分光学的手段も含めて特性を明らかにしたい。 6.【Y_2】【Co_7】を母体にした【(y-(1-y)Gdy)-2】【Co_7】の水素化物を作製(粉体)した。。この系の磁性はGdスピンの作る交換場と水素化による電子密度の増加のかね合いで決定されることが分った。 以上のように、多量に水素を吸収させた金属間化合物を形成させ、その伝導性・磁性・分光学的性質を追求する手段を確立した。
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