1986 Fiscal Year Annual Research Report
セレン化亜鉛単結晶薄膜の減圧気相成長とその電気的・光学的特性の制御
Project/Area Number |
61550010
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
松本 俊 山梨大, 工学部, 助教授 (00020503)
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Keywords | セレン化亜鉛 / 減圧気相成長 / エピタキシアル成長 / 【II】-【VI】族化合物半導体 / 【II】-【VI】族混晶半導体 / 光学的特性 / 電気的特性 |
Research Abstract |
1.減圧気相成長における高周波プラズマの効果:0.1Torr程度の水素がス雰囲気中にZnとSeの蒸気を供給してGaAs基板上にZnSeを成長させる系に高周波電力を導入し、ヘテロエピタキシアル成長に対するる高周波水素プラズマの効果を検討した。プラズマのない雰囲気での成長では、成長初期にコヒーレント成長が起こり成長結晶は基板から2次元的な応力を受けて弾性的に歪んだ状態で成長する。膜厚の増加と共に歪は緩和されるが、ほぼ完全に緩和されるには約1μmの膜厚を要する。一方、プラズマ中で成長する場合には、0.09μmmの薄膜でも格子の歪は一部緩和されていることがX線回折およびラマン散乱の測定から明らかになった。この結果から、高周波水素プラズマはヘテロエピタキシアル成長において格子不整合のために発生する歪を緩和させるのに有効であることがわかった。 2.減圧気相成長における格子不整合の効果:水素をキャリヤガスに用いZn,Se,Sを原料とする横形気相成長装置に減圧排気装置を増設し、系内圧力160Torr、基板温度420℃で良質のZnSeおよびZnSx【Se_(1-x)】を成長させた。ZnSeの場合、結晶成長領域に輸送されるZnとSeの比Zn/Seを精密に制御することにより、4.2Kで自由励起子発光が支配的な高純度結晶が得られた。また、Zn/Se比の大小により支配的な残留ドナー種が異なることを見出し、高品質ZnSe作成のためにはZn/Se比の精密制御と同時に残留不純物の導入を促進する格子欠陥の発生を抑えなければならないことがわかった。この格子欠陥の発生には、ZnSeとGaAs基板の格子不整合が大きく関与していると思われる。そこでGaAs基板に格子整合するZnSx【Se_(1-x)】を作成し、最適成長条件を求めた。本研究ではSeとSそれぞれの温度で組成xを決定した上で、それぞれのキャリヤガス流量を調節して最適条件を達成した。
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Research Products
(2 results)