1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61550036
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
山下 正文 東京理科大学, 理工学部, 助手 (80089383)
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Keywords | 結晶光学 / ネマティック液晶 / 液晶分子配向 / 90度ツイストフィルム / 時間分解画像取込み / コノスコープ像 / 計算機シュミレーション |
Research Abstract |
90度ツイストネマティック液晶の分子配列過程を解明するためには, 実験手法の開発と実験結果を説明する理論解析が必要である. 本研究は, この目的を達成するために開発したコノスコープ像の時間分解画像法(時間分解能1ms:モンタージュ法)からの画像解析を行い, 推論される分子配列モデルの理論解析を進めている. 本年度の研究内容は昨年度の結果を踏まえ, 1.少数パルス励起電界印加からの初期分子配列過程の解析 2.液晶分子配向モデルを組み立て, 結晶光学に基づく計算機シュミレーションで得られる干渉像と観測されるコノスコープ像の比較・検討である. 1.としては, 90度ツイストフィルム(d=9μm)と270度ツイストフィルム(d=5μm)に電圧5〜32Vのバイポーラ型矩形波の少数パルス数3〜60を任意の周波数で印加できるよう整備した. 新しい知見として, (1).90度ツイストの分子配列動特性で得られる二種類のエコー的振舞い(緩和過程)が, 270度ツイストの配列動特性では一種類しか得られなかった. (2).液晶分子に間けつ的パルス電界を印加した場合, 電界印加休止間隔の時間が約8ミリ秒以内であれば前駆パルスの影響が強く残っている. 2.としては, 台形近似の横拡がり配列するような液晶分子配列モデル(変形分子配向モデル)が実験結果とよく一致することを明らかにした. 次年度は, 本研究課題の最終年度であることを考慮し, 液晶表示素子の応用にも大きく影響するアンカーリング力とエコー的振舞いの相関をフォークト粘弾性論から解明することと, 従来の連続体的液晶配列モデルと変形配向モデルの相異点について解析し, 研究をまとめる予定である.
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[Publications] Masafumi Yamashita: Mol.Cryst.Liq.Cryst.141. 207-228 (1986)
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[Publications] Masafumi Yamashita: Jpn.J.Appl.Phys.27. NO.4 (1988)
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[Publications] Masafumi Yamashita: Jpn.Appl.Phys.