1986 Fiscal Year Annual Research Report
微粒子の生成と化学反応の制御を目的とした高温・高圧衝撃波の利用に関する研究
Project/Area Number |
61550040
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
永山 邦仁 九大, 工学部, 助教授 (20040446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 昭年 九州大学, 工学部, 教授 (70037696)
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Keywords | 高温衝撃波 / 超微粒子 / 化学反応 / 導線爆発 |
Research Abstract |
衝撃波による高温状態の持続時間などの制御による超微粒子生成と化学反応に関する基本的な知見を得ることを目的としたいくつかの試験を行った。まず全ネメルギー1Jのジャイアントパルスルビーレーザ光を集光し、金属薄膜、細線、微粉体等に照射すると、粒子の飛散、蒸発等を伴った圧力波の発生が確認された。特に微粉体については、直接照射した部分から蒸発気化による煙が観測された。以上の実験では、ルビーレーザの発光履歴、衝撃波面の発光を高速受光素子で捉えた。但し、生じる衝撃波の減衰が早過ぎ、照射点の周囲まで微粒化されたかどうか確認できなかった。このため、強い衝撃波を発生でき、かつ金属微粒子も同時に生成する方法として、衝撃大電流による金属細線の爆発を用いるように計画を変更した。制御が容易でコンパクトな電源を設計製作した。低インダクタンスコンデンサを2基直列接続して用い、充電制御系、トリガー回路、3点ギャップスイッチ等すべて自作した。出力短絡条件での電流履歴の測定結果から電源の仕様を周めると、容量C=50μF、最大充電エネルギー2.5kJ、振動周期T【=!〜】95μs、等価低抗R=81mΩ、出力用ケーブルも含めた等価インダクタンスL=4.2μHであった。次に、0.15mm径の銅線を用いた導線爆発実験をおこなった。銅線の長さ約11cm及び3cmのものについて試験した。その結果、長さ11cmのものでは、通電後約20μsで電流は殆んど停止し、コンデンサに電圧が残留するのに対し、3cm長の線を用いる場合、強い導線爆発を示す電流波形が得られ、電圧も残留しない。この場合には、強い衝撃波が発生しているものと考えられる。以上のことから、製作した電源は、次年度の研究に充分役立つことが確認された。また分光測定に用いるイメージインテンシファイア管については、分光器と組み合わせる治具を現在設計製作中である。
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