1986 Fiscal Year Annual Research Report
能動型画像処理方式に基づく高分解能電子顕微鏡における実時間球面収差補正手法
Project/Area Number |
61550041
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
生田 孝 阪電通大, 工学部, 助教授 (20103343)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 久満 大阪大学, 工学部, 助手 (20027907)
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Keywords | 能動型画像処理 / 電子顕微鏡 / 球面収差 / 電子レンズ / 収差補正 / 焦点位置変調 / 三次元フィルタリング / 非線形干渉項の除去 |
Research Abstract |
能動型画像処理に基づく電子顕微鏡球面収差の除去においては、外部からの能動的な焦点位置の制御によって生じる変調された画像に対し、重み付けが可能なフレームインテグレータを用い、正負の重み付け積分を実行する事で実現する。本研究はこのような球面収差除去手法の理論検討を行うとともに、高分解能電子顕微鏡に適用し実用的な意味での処理が可能であるか否かを評価しようとするものである。 今年度の成果としては、焦点位置変調を利用した球面収差除去の理論を確立させるとともに、計算機による重み関数の計算結果を用いて高分解能電子顕微鏡をシミュレートしたコヒーレント光学系上でのシミュレーション実験を行い、本処理方式の原理的な確認を行った。さらに電子顕微鏡とフレームインテグレータを中心とする能動型画像処理システムとの間のインターフュース回路の製作を完了し、予備実験を試みている。この結果、焦点位置変調時に生じる像の回転・並進移動およびヒステリシスの存在が収差補正処理のさまたげとなる事が判明したので、新たに焦点位置の高速制御が可能なミニスタチックレンズを試作し、再度処理実験を試みつつある段階である。 一方理論的検討の結果によれば、当初予定の焦点位置変調に加え、偏向板を利用し平面内の画像並進を同時に実現する事で三次元のフィルタリング処理が可能となるが、これにより収差補正とともに強い散乱体によって生じる二次以上の非線形干渉項の除去が可能である事が判明した。能動型画像処理ではこのような三次元フィルタリングも又2フレーム時間(≒1/15秒)で実行可能であるので、この事は本方式による実時間収差補正処理を強い散乱体にまで拡張適用できる事を示しており、きわめて意義あるものと考えられる。
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Research Products
(2 results)