密閉二相熱サイフォンの不安定行動とエロージョン破損に関する研究

1986 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 61550050
• Research Institution: Osaka Prefecture University
• Principal Investigator: 根岸 完二 阪府大, 工学部, 助教授 (60081262)
• Keywords: 密閉二相熱サイフォン / 不安定作動 / エロージョン / 熱輸送特性

Research Abstract

本年度は、本研究の初年度であり、実験計画に基づき下記のように順調に研究が進行した。
1.銅製熱サイフォンにおける不安定作動条件の探索:各種寸法の銅-水の直管型熱サイフォンの他にコルゲート管型熱サイフォンも製作し、傾き角,作動液封入量,熱入力を変化させ実験を行い、一般的な熱輸送特性の計測とともに不安定作動に陥る条件の探索を行った、なかでもエロージョンに直接関連する現象として、比較的熱入力の小さい条件下で生じる突沸を主原因とする長周期の不安定作動があげられる。そして、この際発生する圧力変動がサイフォンの壁面近傍で小気泡を崩壊させ、局所的ではあるが、非常に強い衝撃が金属音を伴いながら管壁を打つことが観察されている。この様な現象がおそらくエロージョン破損の1つの原因になることが考えられるので、その詳細については62年度の研究に継続する予定である。
2.耐熱ガラス製模擬熱サイフォン試験:上記の銅製直管熱サイフォンと同寸法の耐熱ガラス製の熱サイフォンも製作し、前者と平行して内部の作動液の振舞いの可視化実験を行った。これによって、圧力変動による小気泡の崩壊をつぶさに観察することができ研究の進展に大いに役立っている。本研究で得られた結果の一部として、長周期の不安定現象の発生メカニズムと熱輸送特性に関しては、本年5月にフランス(グルノーブル)で開催される第6回国際ヒートパイプ会議で発表の予定であり、さらにコルゲート管型熱サイフォンに関しては、同じく8月の日本機械学会総会講演会で発表の予定である。

Research Products

• [Publications] K.NEGISHI;K.KANEKO;F.KUSUMOTO: 6th International Heat Pipe Conference,Grenoble,France,May 25-29.No.6. (1987)
• [Publications] 根岸完二,金子憲一,平島雅雄,他: 日本機械学会.