1986 Fiscal Year Annual Research Report
微小欠陥を含む部材の応力腐食割れおよび破壊じん性に関する研究
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61550052
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
広瀬 幸雄 金沢大, 教育学部, 助教授 (20019425)
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Keywords | 微小欠陥 / 応力腐食割れ / 破壊靭性値 / 電位差法 / X線残留応力 / 限界亀裂長さ |
Research Abstract |
1.破壊の発生および亀裂成長を検出するために、電位差法による亀裂長さ自動測定装置を製作し、破壊靭性値および疲労亀裂伝播試験における亀裂長さ測定手段として有効である結論を得た。つまり、亀裂長さの測定精度は絶対値で2%以内、長時間連続測定する場合最小亀裂増分検出限界は10μm/day以内であり、実験室の温度制御を行なえば更に精度を上げることも可能である。 2.200℃焼戻し処理された高張力鋼(SNCM8)を実験材料として、3.5%食塩水溶液中にて、三点曲げ片側切欠き試験片にて破壊靭性および応力腐食割れ試験を行なった。切欠き半径を一定とし、亀裂長さを変えることにより、その破壊靭性値および亀裂伝播速度を測定した。亀裂長さと破壊靭性値および応力腐食割れ伝播速度を測定した。更にその伝播速度と応力拡大係数との関係を求めた。亀裂長さが1.1mm以内の時(微小亀裂)の伝播速度は長い亀裂(1.1mm以上)の場合のそれと比較して、2倍早かった。亀裂長さが1.1mmを越えたとき(限界長さ)の亀裂伝播速度は充分に長い亀裂の場合とほぼ等しかった。この限界長さに関しては、今後の詳細な実験的検討が必用である。 3.3.5%食塩中での破壊靭性および応力腐食割れ試験後の破面上および破面下の残留応力をX線応力測定を行ない、破壊力学パラメータとの相関関係を検討した。残留応力が消失する深さwyは最大塑性域深さに対応すると見なされるが、Kとの間に次の関係が成立した。 wy=σ【(K/σy)^2】ただし、σyは降状応力である。α値は0.08であった。このα値に関しては、今後の詳細な研究が必要である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 広瀬幸雄: Advances in X-Ray Anaylisis,. 29. 40-47 (1986)
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[Publications] 広瀬幸雄: Advances in X-ray Analysis,. 29. 265-270 (1986)
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[Publications] 広瀬幸雄: 材料. 35. 34-39 (1986)
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[Publications] 広瀬幸雄: RESIDUAL STRESS(DEUTSCHE GESELLSHAFT FUR METALLKUNDE). 1. (1987)
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[Publications] 広瀬幸雄: Advances in X-ray Analysis. 30. (1987)
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[Publications] 広瀬幸雄: Mechanical Behavior of Materials,ICM 5. 2. (1987)