1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61550054
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
黒崎 靖 三重大, 工学部, 助教授 (60023339)
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Keywords | 特殊加工法 / マイクロ塑性加工 / 微細穴あけ / 微細スリット加工 / 極薄金属箔 / 粘塑性圧力媒体 / ドロップハンマ装置 |
Research Abstract |
本年度は金属箔に微細穴を加工する問題を扱った。まず、加工法として粘塑性圧力媒体の衝撃圧縮を利用する手法を考案し、SK3箔及びニッケル箔に単一の微細穴をあけることを試みた。この結果、通常のせん断加工の壁を破るはるかに小さな直径0.05mmの丸穴や幅0.05mmのスリットの加工に成功した。また、本加工法は複雑な異形穴の加工にも有効であることが判明し、新しい微細穴あけ法として利用できる見通を得たので、これらの成果をまとめてJSME International Journalに投稿した。次に、実際にニーズの多いと考えられる微細多数穴の同時加工の問題を扱うことにした。この研究では、正確なピッチを持つ微細穴ダイスを製作する必要から、二次元微小ドリリングマシンを試作した。そして、その性能を調査した結果、十分実用に耐えることが結論された。被加工材料としては、エレクトロニクス分野で使用ひん度の高いと思われる銅箔を6種類準備し、その微視構造を調べた。また各種ピッチを持つ穴径0.05〜1.0mmのダイスを4種類準備した。こうして、穴あけ加工性に及ぼす材料の巨視的ならびに微視的特性の影響を調べる準備を整えた。さし当り、上記加工法を用い、直径1mmの穴あけを試みた結果、通常のプレス加工の限界を越える小さなピッチの加工に成功し、また、加工精度及び加工圧力に対する干渉効果に関して新しい知見を得た。穴径が小さくなり、結晶粒のオーダーに近づく時どのような穴加工が達成されるかは全く未知の領域であり、この点について現在究明中である。
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