1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61550057
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
自念 栄一 京工繊大, 大学併設短期大学部, 教授 (60027878)
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Keywords | CFRP / 脱湿過程 / 擬Fick型 / 疲労損傷 / 平均寿命比 / ナイロン6 |
Research Abstract |
ナイロン6に短かい炭素繊維を重量混入率15%含むペレットをASTMのA型ダンベルに射出成形で作った試片(CFRP)を用いた。対象とする材料の破壊過程として、疲労破壊を操り上げ、材料の損傷の基準パラメータとして平均疲労寿命(【N!~】)を用いた。応力比0の片振り引張り形式下の【N!~】は、応力振幅6.0,6.5,7.0Kgf/【mm^2】の下で夫々34800,9744及び760であった。また、試片の脱湿特性を確かめるため、平衡水分率に達した試行をシリカゲルを乾燥剤とするデッシケータ内で乾燥させ、脱水量に関する換算質量曲線を求めたところ、完全な直線を示さず、ガラス繊維強化ナイロン6と同様に擬Fick型であることとがわかった。そこで応力振幅7.0Kgf/【mm^2】の条件で、平均寿命の半分の損傷を受けた試片の平行部分を切断し、室温で眞空中(5×【10^(-6)】Torr)に5時間放置し、脱湿量を処女材のそれと比較した結果、両者に差異が認められ、疲労試片では1【cm^2】当り0.035〜0.04mg処女材より多くの脱湿があり、疲労にともなう試片の構造変化(細い網目状クラックの発生が表面で認められる)によることが見出された。この変化を疲労損傷の応力依存性の観点から検討するため、脱湿量の変化と平均寿命の対応を調らべたところ、脱湿量は平均寿命の増加とともにほゞ直線的に増加することが分った。この結果は、疲労した試片を試験機より取りはずした試片で行なっていることから、疲労試験中で生じた材料の弾性的変形はもとより、クリープ挙動による変形回復現象による収縮現象があり、疲労による構造変化、とり分け空孔は閉じられた状態となっている。そこで負荷状態で上記実験を行ない、より明確な脱湿変化が観測されるよう現在活臭を作成し準備に入っている。明年度は疲労過程で負荷応力を変化させた場合の脱湿過程と、それを逆に乾燥試片による同様な実験を行ない、吸湿過程についての測定を行ない、材料の構造変化との対応を検討する。
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Research Products
(2 results)