1986 Fiscal Year Annual Research Report
高温大気中における原子力用配管炭素鋼の表面き裂進展特性に関する基礎的研究
Project/Area Number |
61550071
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小林 英男 東京工大, 工学部, 助教授 (00016487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒居 善雄 東京工業大学, 工学部, 助手 (70175959)
中村 春夫 東京工業大学, 工学部, 助手 (40134829)
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Keywords | 疲労き裂進展 / 破断前漏洩 / 配管用炭素鋼 / 表面き裂 / 弾塑性破壊靭性 / 破壊評価線図 |
Research Abstract |
原子力用炭素鋼配管の破断前漏洩(LBB)設計が、原子力分野における当面の課題として脚光を浴びている。LBB成立の可否を検討するためには、高温において欠陥からの疲労き裂進展特性と最終破断特性を明確にしておく必要がある。ここでは、原子力用配管炭素鋼STS42を用いて、高温疲労き裂進展特性、表面疲労き裂進展特性を明らかにするとともに、2パラメータ法による破壊評価線図(FAD)の構築を試み、以下の結論を得た。 1.高温(〜350℃)大気中と高温純水中における疲労き裂進展特性を比較した結果によれば、高温純水中の影響は腐食効果よりもむしろ温度効果が著しい。したがって、高温大気中における結果を用いて、高温純水中の挙動が推定される。 2.表面疲労き裂の進展特性は貫通き裂のそれと本質的に相違しない。ただし、表面疲労き裂のき裂閉口が貫通き裂と比較して小さいことに起因して、下限界応力拡大係数範囲は貫通き裂の場合よりも小さくなる。表面欠陥の疲労き裂進展特性の評価に際しては、上記の点に配慮する必要がある。 3.STS42鋼の弾塑性破壊靭性【J_(IC)】の評価に際しては、複数試験法の日本機械学会基準が最も有用である。単一試験片法を用いた場合、【J_(IC)】は著しく過大評価される。 4.2パラメータ法の適用に際して、ひずみ硬化を考慮し、J積分クライテリオンを用いる必要がある。本研究において構築したFADに基づき、試験片寸法が異なる場合の安定破壊の開始,安定破壊進行、さらに塑性崩壊あるいは不安定破壊という弾塑性破壊の過程が、的確に予測できる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 小林英男: 日本機械学会論文集. 52A. 1204-1208 (1986)
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[Publications] 小林英男: 日本機械学会論文集. 52A. 1778-1785 (1986)
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[Publications] 小林英男: 日本機械学会論文集.
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[Publications] 小林英男: 日本機械学会論文集.
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[Publications] 小林英男: 高圧ガス. 23. 649-659 (1986)
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[Publications] 小林英男: 圧力技術. 25. 38-54 (1987)