1986 Fiscal Year Annual Research Report
熱弾性問題の新しい境界要素解析法と特異応力場への応用
Project/Area Number |
61550077
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
田中 正隆 信大, 工学部, 助教授 (40029319)
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Keywords | 境界要素法 / 熱応力 / 特異応力場 / 応力拡大係数 / 非定常熱伝導 / 定常熱伝導 / 境界積分方程式 |
Research Abstract |
非線形非定常熱伝導問題の新しい境界要素法と、これをき裂を持つ熱弾性体の特異応力場の解析に応用することを中心に研究した。温度依存の材料定数を持つ非線形熱伝導問題にKirchhoff変換を施して準線形の方程式系に変換したのち、これに境界要素法を適用して数値解を求める新しい解析法を提案した。時問軸を一定時間要素で分割すれば、この解析法はきわめて効率的なものになることを、いくつかの実用例について検討した。 一方、き裂を含む弾性体に熱負荷が加わるときの種々のき裂モード下での応力拡大係数の境界要素解析法を、特に実用上重要な3次元問題について開発した。表面き裂を含むいくつかの実用例に適用して一連のデータを求めて設計資料とすることを試みた。この解法では、温度場の情報は熱伝導方程式を解くことにより求め、これを静弾性問題に対する境界要素法を改良した熱弾性問題の解析法に用いて応力場を定めるものである。いわば二段階の解析法を採用している。温度場と変位場とを連成させた方程式系を一挙に境界要素法で解く方法が開発できたならば、さらに効率的な熱応力問題の解析ができるはずである。この新しい解析法には、他の分野でも最近注目されているH【o!¨】rnanderの方法を応用できる。新しい基本解をこの方法で誘導し、通常の境界積分方程式の定式化に組込めばよい。線形問題ばかりでなく、非線形問題にもこの新しい解法を構築することを目標に今後の研究を進める予定である。また、き裂近傍の特性を考慮したき裂要素を用いる応力拡大係数の計算法についても考察する。
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[Publications] 菊田雅司,Edited by M.Tanaka;C.A.Brebbia: Proc.8th International Conference on Boundary Element Methods in Engineering,BOUNDARY ELEMENTS 【VIII】,Springer-Verlag. 47-58 (1986)
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[Publications] 田中正隆: An International Journal COMPUTATIONAL MECHANICS. 2. (1987)
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[Publications] 田中正隆: "境界要素法の応用" (株)コロナ社, 260 (1987)