1986 Fiscal Year Annual Research Report
形状記憶合金及びその接合部の機械的性質に関する研究
Project/Area Number |
61550086
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
戸伏 寿昭 愛工大, 工学部, 助教授 (70103231)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩永 弘之 愛知工業大学, 工学部, 講師 (40064943)
木村 君男 愛知工業大学, 工学部, 教授 (90139957)
大橋 義夫 愛知工業大学, 工学部, 教授 (10022948)
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Keywords | 形状記憶合金 / 形状記憶効果 / 変態擬弾性 / TiNi合金 / 抵抗溶接 / 熱サイクル特性 / 固体熱エンジン / マルテンサイト変態 |
Research Abstract |
TiNi形状記憶合金及びその接合部の機械的性質の研究として、加熱冷却の繰返し熱サイクルに対する形状記憶効果のサイクル依存性を検討した。実験は、直線に形状記憶処理したワイヤーの試験片について、引張試験,負荷除荷繰返試験,応力緩和試験においてひずみと温度の実験条件を変えて行った。この基礎的な熱サイクル試験により次の知見が得られた。(1)応力の小さい範囲で生じるR相変態は、Af点48℃の試料について20℃で大きく現れ、80℃ではほとんど現れない。熱サイクルの繰返し数が大きくなるにつれて、R相変態部は小さくなる。(2)マルテンサイト変態による降伏段は20℃では水平となるが、80℃では降伏の開始点がはっきりせず、降伏段が右上りの傾向を示す。熱サイクルの繰返し数が大きくなるにつれて、この降伏応力は低下する。(3)応力除去後の加熱による形状記憶効果で回復する可逆ひずみは、20サイクル以後ほぼ一定値を示す。各サイクル終了後の残留ひずみは、繰返し数が大きくなると増加する。(4)擬弾性域では、繰返し数が大きくなると、変態誘起応力の値は減少し、負荷時の降伏開始点は不明瞭になる。また、繰返し数が大きくなると、除荷時の降伏段の開始点付近の応力の変化は小さくなり、降伏段の終了点は不明瞭になる。(5)応力緩和については、5%以下の一定のひずみの下で緩和する応力の割合はほぼ一定であるが、7%のひずみに関しては緩和する応力の割合は小さい。(6)抵抗溶接による静的強さに関しては、20℃での継手効率は58%であり、80℃では43%となった。(7)予ひずみ1〜2%の下での加熱冷却の繰返し数が30回までは、形状記憶合金の線材および溶接線材についての形状記憶効果の差異はほとんど認められない。溶接線材に関して、繰返し下での形状記憶効果の低下についてはさらに検討する必要がある。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 伊藤広道: 日本機械学会講演概要集. 863-1. 48-49 (1986)
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[Publications] 岩永弘之: 日本機械学会講演概要集. 860-10. 59-60 (1986)
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[Publications] 岩永弘之: 日本機械学会講演概要集. 860-10. 61-62 (1986)
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[Publications] 伊藤広道: 日本機械学会講演概要集. 860-10. 63-64 (1986)