1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61550089
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
加藤 和典 東京工大, 工学部, 助教授 (80016419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 力 東京工業大学, 工学部, 助手 (10110727)
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Keywords | 塑性加工 / 押出加工 / 半実験的解析法 / 有限要素法 / 三次元塑性変形 |
Research Abstract |
押出し,鍛造等の圧縮塑性加工の製品形状及び材質は多様で、特に難加工性材料の加工においては、加工中の材料の温度,ひずみ速度を適正に管理することが重要である。これを型設計の段階で予測するためには計算による数値シミュレーションが有効であるが、現在の有限要素法はこのような三次元大変形問題に対しては種々の難点がある。そこで、本研究ではモデル材料による実験の結果を参考にして変形領域をいくつかの「擬似2次元変形」領域に分割し、個々の擬似2次元変形を加工エネルギ最小条件を用いて解く方法(極限定理による)を提案した。具体例としてトラック形断面ポンチの円柱状ブランクへの押込み加工の定常変形段階を取上げ、実例に基づいて解析法の有効性を検討した。得られた結果を以下に要約する。 (【i】)材料各部の変形は平面ひずみ変形と軸対称変形の中間的なもの(擬似2次元変形)になると思われるが、まずプラスティシン(油粘土)のモデル実験により材料の流れを測定して、変形域をいくつかの擬似的2次元変形領域に分割した。ここで分割に際しては隣接する領域間での変形の干渉が小さくなるような内部境界面を設定することが重要であるが、ブランク横断面内のせん断ひずみが消失する面(主ひずみ面)を境界面として探る方法が有効であることがわかった。 (【ii】)擬似的2次元変形の解法としては彫塑性有限要素法が有効であり、体積不変条件をペナルティ法で考慮することによって応力分布まで十分な精度で求められることが確められた。 以上、従来取扱いが困難とされていた三次元大変形問題に対して、モデル実験の簡単な測定結果を参照することにより材料内部の応力及び工具面圧力の詳細まで求めることのできる実用的解析法を提案することができた。
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