1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61550095
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
上田 隆司 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (60115996)
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Keywords | ファインセラミックス / 研削温度 / フッ化物光ファイバ / 赤外線輻射温度計 / 熱応力 |
Research Abstract |
ファインセラミックスをダイヤモンド砥石で加工するとき, 研削点では, 1000°Cを越える高温に達すると推定される. この温度はダイヤモンド砥粒の寿命を縮めるだけでなく, 加工材料中に大きな熱応力を発生し, クラックを生じる原因にもなる. クラックは材料の強度を著しく弱め, その信頼性を低下させてしまう. ところが, セラミックスは絶縁体であるためこれまでの熱電対法では研削温度が測定できず, この方面の研究は全くといってよいほど行われていない. 本研究は著者がこれまでに研究開発した"光ファイバを用いた赤外線輻射温度測定計"によって, 研削時のセラミックス内の温度分布を測定し, 熱応力の影響を定量的に解析することによりセラミックス材料の強度に対する信頼性を高めることを目的として行っている. 本年度は,前年度に製作した"フッ化物光ファイバを用いた赤外線輻射温度計"の性能をチェックすることから始め, 150°C以上の温度を精度よく測定できることを確認した. しかし, フッ化物光ファイバの強度は石英ファイバに比べて著しく低く, このため平面研削中の加工物の温度を測定しようとするとき破損してしまう恐れがあり, 現在この点の改良を行っている. なお, 石英ファイバを用いてSi3N4中の研削温度を測定してみたが, 表面下5μmで500〜600°Cに達している結果が得られた. 一方, 解析に関しては, これまでの測定結果をもとに熱モデルを考案し, 加工物内の温度分布, 及びそのとき発生する熱応力などについて検討中である. 来年度は, フッ化物光ファイバを用いてセラミックス内の研削温度分布を測定し, この結果をこれまで検討してきた熱モデルに適用することにより, セラミックス内に発生する熱応力を求めると共に, クラックの発生, その生長などについても検討し, 本研究の総まとめを行うことにしている.
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Research Products
(2 results)