1986 Fiscal Year Annual Research Report
熱間鍛造用金型の寿命評価エキスパートシステムの開発
Project/Area Number |
61550099
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
済木 弘行 熊本大, 工学部, 助教授 (40023238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 明宏 有明工業高等専門学校, 機械工学科, 助手 (70181948)
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Keywords | 熱間鍛造 / 型鍛造 / 型寿命評価 / エキスパートシステム |
Research Abstract |
熱間鍛造型の寿命評価を行うために最も重要な点の一つは、型の熱軟化を予測することにある。熱軟化の予測をするには正確な熱サイクルをしる必要があるが、現在のところこれが殆ど出来ていない。その理由の一つは、金型と材料面間の熱通過抵抗が不明な点にある。そこで、粗さのある表面間の0.5秒以内の非定常熱伝導問題を解析し、その熱通過抵抗を一様膜厚さの等価抵抗膜で置き換えることが可能であることを示すことが出来た。またそれを見積るための換算式を求めることも出来た。 実際金型に14点の熱電対を埋め込み現場における鍛造実験を行って金型の受ける熱サイクルを求めた。計測された熱サイクルを取り込み金型と材料面間の実際の熱通過抵抗を評価するための新しい有限要素法のプログラムを開発した。この結果、鍛造中熱通過抵抗が加工の進展につれ2ないし3倍変化することが明らかになった。この事実を考慮することにより全熱サイクルをこれまでに無く正確に見積ることが出来るようになった。これによって、鍛造速度や潤滑冷却条件を変更して、これまで不明であった実際鍛造下の熱通過抵抗を求めるための基礎準備が完了した。但し、鍛造中の温度計測において表面近傍に取り付けた熱電対の寿命が数百サイクルと短いことが判明した。現在これを改善するため新しい形式の金型を作成中である。さらに、現場では高周波加熱機等の影響で温度計測値に外乱が相当含まれており、これを除去するためのプログラムを検討中である。 以上に述べた成果の一部を昭和62年塑性加工春季講演会で報告する予定である。次年度では、現場実検データの蓄積と金型寿命評価のためのエキスパートシステムをプロログ言語とC言語等を組み合わせて作成する予定である。
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