1986 Fiscal Year Annual Research Report
ダイヤモンドラッピングシートによるファインセラミックスの高能率両面ラッピング
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61550100
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
柴田 順二 芝工大, 工学部, 助教授 (30052822)
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Keywords | ダイヤモンドラッピングシート / ファインセラミックスの研磨 / 平面ホーニング加工 |
Research Abstract |
ファインセラミックスの最終仕上げ加工法としては、現在遊離砥粒によるラッピング加工法が主流となっている。しかしこの加工法は、生産加工管理と自動加工ライン化にとっては決して望ましい加工法とは言えず、固定砥粒工具による平面ホーニング加工法導入の可否が重要な技術課題として注目されている。本研究では、ダイヤモンドラッピングシートによるファインセラミックスの平面ホーニング研磨に関する基礎特性を明らかにし、実用性の高い高能率両面ラッピング加工の指針を得ようとするものである。 本年度はまず、試作したダイヤモンドラッピングシートの基礎特性を、汎用GCラッピングシートのそれと比較しながら、実験的に追究した。その結果、次のような結論を得た。 (1)汎用GCラッピングフィルムでは全く研磨不可能であったファインセラミックス【Si_3】【N_4】を、このダイヤモンドラッピングフィルムによりかなり高い研磨能率で仕上げ加工できることが実証された。 (2)研磨能率は研磨時間と共に漸減する傾向を示す。一方仕上面あらさについては、その経時変化は少なく、比較的一定の値を得ることができた。 (3)摩耗形態は、目づまりより目つぶれが支配的である。 (4)形状精度(うねりとダレ)に問題が残り、現状では研磨面積のかなり小さい工作物にしか適用できない。応用例として、光ファイバーフェルールの研磨に適用した結果、バフ仕上げより良好な研磨性能を発揮できることを実験的に見出した。 本年度は目標とする「ダイヤモンドラッピングシートの基礎的研磨特性」の解明をほぼ達成できたものと考えている。来年度は実用上重要な形状精度確保のための対策が研究課題である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 柴田順二: 第3回グライディングアカデミー セラミックスの加工と高能率加工技術(テキスト). 63-71 (1986)
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[Publications] 柴田順二,矢部友康,米津栄: 精密工学会昭和62年度春季学術講演論文集. (1987)