1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61550102
|
Research Institution | Nara National College of Technology |
Principal Investigator |
小畠 耕二 奈良工高専, その他, 助教授 (00043480)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 任弘 奈良工業高等専門学校, 機械工学科, 助手 (10141912)
岩井 保善 奈良工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (90043471)
関口 秀夫 奈良工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (80043462)
|
Keywords | 加工熱処理法 / 温間鍛造 / 焼もどし / 動的再結晶 / 高延性 |
Research Abstract |
焼もどし温間鍛造は、焼入れた鋼材を温間域まで急加熱し、短時間の焼もどしを行った後、その温度で変形を与え急冷する方法である。本加工熱処理によると、加工限界を著るしく向上させ得ることができ、しかも加工後の機械的性質もきわめてすぐれている。本研究においては、以上のような基礎的研究成果を基に次に示す実験を行った。 1.焼きもどし途中の炭素鋼(S45C)の高延性について 加工中の高延性と再結晶との関連を明らかにするため、焼もどし途中での変形抵抗の測定(圧縮試験)を行った。変形抵抗の測定においてはPCを利用した計測システムを開発した。実験の結果、変形抵抗は変形の初期の段階(ε=0.3〜0.5)で急激に変化し、動的再結晶特有のパターンを示した。このことから、高延性現象は再結晶に基づくことが明らかにされた。 2.種々の材料の焼もどし温間鍛造への適用 (1)各種炭素鋼 0.3〜1.0%C炭素鋼の焼入れ材を400〜600℃の温度範囲で高温引張試験して破断ひずみの測定を行い、各種焼入れ材の温間域での変形能を調べた。その結果、焼もどし過程の炭素鋼の延性は、炭素含有量の少ない材料ほど大きいことがわかった。本実験から焼もどし温間鍛造における材料選択の基本的な指針を得ることができた。 (2)合金鋼 高張力鋼の材質改善を目的として、SCM435の焼もどし温間鍛造を行い、遅れ破壊特性を調べた。実験では、鍛造材を5%硫酸水に浸せきした後、引張試験を行い水素ぜい化感受性を調べた。その結果、SCM435の鍛造材は水素に対しきわめて鋭敏であることが明らかとなった。 以上のように、本年度の研究目標はほぼ達成されたが、さらに詳細なデータを得るため62年度に追加実験を行う。
|
Research Products
(2 results)