1986 Fiscal Year Annual Research Report
セラミックスのころがり摩耗における統一的摩耗パラメータの研究
Project/Area Number |
61550103
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
加藤 康司 東北大, 工学部, 助教授 (50005443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀切川 一男 東北大学, 工学部, 助手 (60173605)
坂 真澄 東北大学, 工学部, 助手 (20158918)
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Keywords | セラミックス / ころがり摩耗 / Scパラメータ / 表面き裂 |
Research Abstract |
セラミックスは金属に比べ一般に硬く、耐摩耗性に優れているために、過酷な使用環境下における耐摩耗のころがり部材として非常に有望である。しかし他方においてセラミックスのじん性は一般に金属より非常に小さい。そのために摩耗状態は負荷の変動により大きく変化し時に部材は破壊する。我々がこれまでに明らかにしたこのようなセラミックスの基本特性を考慮したうえで、61年度の研究においては次の諸点を明らかにした。 〔1〕セラミックスの摩耗の微視機構 種々のセラミックス、種々の荷重、種々の接触状態下の摩耗面と摩耗粒子を走査型電子顕微鏡を用いて詳細に観察分析することにより、各種のセラミックスの摩耗に共通した摩耗刑態は、表面き裂の水平伝ぱによる薄片状摩耗粒子の形成であることを明らかにした。更に摩耗粒子の大きさによって、摩耗の形態は大規模摩耗と小規模摩耗に分けられることを明らかにした。 〔2〕表面き裂の伝ぱ挙動の解析 セラミックスの摩耗を考える上で基礎となる表面き裂のころがり過程における伝ぱ挙動を線形破壊力学を用いて明らかにした。その結果、表面下一定の深さにある垂直き裂が優先的に伝ぱすることが明らかにされた。 〔3〕新しい摩耗モデルに基づいた統一的摩耗パラメータの導出 〔1〕と〔2〕の結果に基づき、セラミックスの摩耗特性を説明するScパラメータを理論的に導出した。 62年度はより完全な摩耗理論の確立とScパラメータの有効性の広範囲な検討を行う。
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