1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61550106
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 正人 東大, 工学部, 教授 (10011131)
|
Keywords | 油膜シール / 遠心式圧縮機 / サワーオイル / レイノルズ方程式 / 気液界面 |
Research Abstract |
1.序論 本研究では、シール部の油膜を観察できるモデル実験装置により、気体界面の形状、油膜の挙動、及びサワーオイル流量を調べ、理論解析との比較、検討を行った。またその結果を基にサワーオイル流量を少なくするシール形状について検討した。 2.理論解析 レイノルズ方程式を解き圧力分布を求め、気液界面の円周方向勾配が、VeとVzとの比で与えられるものとして気液界面形状を求めた。又、この時得られた圧力分布からサワーオイル流量を計算した。 3.結果及び考察 気液界面形状の実験結果及び計算結果は良く一致している。サワーオイル流量の実験結果及び計算結果も比較的良く一致しており、実機において報告されていた「回転数の増加と共にサワーオイルが減少する」という現象は見られない。差圧が下がった時はサワーオイル流量は減少するので、実機では油圧設定に問題があったものと思われる。シール直前の油の円周方向流れによる遠心力の影響を考慮して、油側シール端の圧力を気体側より高く保つと、理論的にも、油膜破断による気体の漏洩は起こらない。 数値計算において、気体の侵入のない場合、サワーオイルに対する単位幅のシールあたりの抵抗μはωによらず一定であった。又、シール幅が長いほど気体の侵入量のZa/Lは大きくなりμが減少する。 以上よりサワーオイルを少なくする2段シールについて考察する。2段シールの気体側ランドには気体が侵入するので幅が長くなるとμが減少する。しかし差圧があれば気体側ランドから気体は漏洩しないので、油側ランドでは気体の侵入はなく、μは一定である。よって気体側ランド幅は短くて良く、油側ランド幅は長い程良い。 4.結論 2段シールではサワーオイル流量を抑えるのに有効である。
|