1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61550110
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
成瀬 長太郎 電通大, 電気通信学部, 教授 (20017304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
灰塚 正次 電気通信大学, 短期大学部, 助教授 (10017410)
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Keywords | 機械要素 / 歯車 / 潤滑 / トライボロジー / 損失 / 効率 |
Research Abstract |
FZG平歯車試験機を用いて、試験歯車としてモジュール2〜6までの間(主にモジュール4.5)で駆動歯車と従動歯車の両歯車の諸元を用じにしての実験を行った。回転数はn=【186^(rpm)】よりn=【4950^(rpm)】を主体としたが、一部はそれ以上の回転数による実験も進めた。使用した潤滑油は、鉱油としてはパラフィン系のもので、4段階の粘度をもつ鉱油、すなわち40°Cにおける動粘性係数が401×【10^6】,198×【10^(-6)】,55.6×【10^(-6)】,898×【10^(-6)】【m^2】/sの他に2種類の合成油、すなわち、合成炭化水素系のもの,ポリグリコール系のものを用いた。 荷重は低荷重における測失(これは本研究のために特に製作した装置で測定)をトルクM=0.1mmより4.0mmまで及び別に設置してある実験装置で、これ以上のトルク(M=344N・m)まで測定した。 その結果、実験は順調に進み、攪拌損失をふくむ全損失(total loss)とかみあいのみによる損失を分離して測定することができた。低荷重(低トルク)の領域における摩擦損失において、歯車のかみあい損失率は特に大きくはないが、全損失率はかなり大きく、これによって、平歯車の運転性能は大きく影響され、今後慎重な検討が必要であることがわかってきた。 これらは、いままでに研究されていなかった全く新しい現象であり、実用的には、比較的低荷重,低速度で運転する自動機械やロボット系の駆動系において極めて重要なことと考えられる。この低荷重段階における荷重領域での損失の測定を行ない、更に引きつづいて高荷重段階での損失の測定を行な全体としての傾向をつかむことが出来た。これに更に実験をつけ加え、日本機械学会論文集に発表する予定である。 なお潤滑油の飛散状態についての研究は、まだ十分な結論を出すところまで達していない。これについては改めて研究を進め、より詳細に研究を進めていく必要がある。
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Research Products
(1 results)