1986 Fiscal Year Annual Research Report
浸炭焼入れ歯車の曲げ疲労強度に及ぼす粒界酸化の影響に関する研究
Project/Area Number |
61550114
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
小田 哲 鳥取大, 工学部, 教授 (50032016)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川越 治郎 鳥取大学, 工学部, 教授 (60032009)
小出 隆生 鳥取大学, 工学部, 助手 (60127446)
宮近 幸逸 鳥取大学, 工学部, 講師 (30157664)
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Keywords | 歯車 / 浸炭焼入れ / 曲げ疲労強度 / 粒界酸化 / ガス浸炭 / 真空浸炭 / ショットピーニング / サブゼロ処理 |
Research Abstract |
本研究では、まずガスおよび真空浸炭焼入れ法で粒界酸化層がある歯車とない歯車を製作して、歯の断面の金属組織を金属顕微鏡で観察し、粒界酸化層の発生状況、結晶粒の大きさなどを調べた。つぎにこれらの歯車に対してパルセータ試験を行って、浸炭焼入れ歯車の曲げ疲労強度に及ぼす粒界酸化の影響について検討を加えた。さらにこれらの歯車にショットピーニングを施し、パルセータ試験を行って、曲げ疲労強度に及ぼす浸炭焼入れ後のショットピーニングの影響についても検討を加えた。なお、パルセータ試験における歯の疲労き裂の発生の確認には、AE計測用ディスクリミネータおよびディジタルストレージオシロスコープを用いた。 その結果、真空浸炭の場合には粒界酸化が生じないが、ガス浸炭の場合には生じること、真空浸炭は処理時間は短いが高温処理であるため、結晶粒がガス浸炭の場合よりもかなり大きくなる傾向を示すこと、また、ガス浸炭焼入れ歯車の曲げ疲労強度は、サブゼロ処理を施さない場合には粒界酸化の影響により真空浸炭焼入れ歯車の場合よりもかなり低いが、施した場合には粒界酸化層の厚さによっては真空浸炭焼入れ歯車の場合よりも高くなる場合があることがわかった。さらに、ガス、真空浸炭焼入れ歯車のいずれにおいても曲げ疲労強度は、浸炭焼入れ後ショットピーニング加工を施すことによってかなり高くなるが、その程度はガス浸炭と真空浸炭とで異なり、前者の方が後者の場合よりも大きいことが明らかになった。 次年度においては、浸炭焼入れ後歯底部にショットブラスト、スカイビング加工、ハンドグラインダによる研削を施した歯車に対してもパルセータ試験を行い、さらに研究を進めるとともに、材料の異なる浸炭焼入れ歯車を製作し、パルセータ試験を行って曲げ疲労強度に及ぼす粒界酸化の影響度の材料依存性などについて明らかにする。
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Research Products
(1 results)