1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61550125
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
山田 豊 名古屋工大, 工学部, 教授 (60024147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今尾 茂樹 名古屋工業大学, 工学部, 講師 (70115674)
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Keywords | 水撃 / 逆止め弁 / 防止 / 副弁 / スイング形 / リフト形 |
Research Abstract |
ポンプの電流が急に遮断されたときに生ずる水撃を、水撃対策を講じた逆止め弁を使用するだけで、完全に防止できれば、工業上極めて有益である。そこで完全に水撃を防止し、弁低抗が少なく、しかも作動確実で耐久性に富み、十分実用に供し得る口径50mmの逆止め弁を試作した。主弁はスイング形とリフト形の2種類を採用し、いずれもばね定数の小さいばねによって急閉式とした。主弁の背面側には、リフト式副弁およびその緩閉装置を取り付け緩衝液は揚水する水を用いた。揚水中に幅弁を開くために、主弁の正面側には開弁板を取り付けた。緩閉装置のピストンとシリンダの間の漏れ止めにはL字形ゴムパッキンを用い、緩閉装置への水の流入口径は0.3〜0.6mmにした。この緩閉式副弁付き逆止め弁を用い、管路長さ,実揚程,流量,主弁の全閉時のばね力,副弁口径を広範囲に変えて、ポンプ電源遮断時の逆止め弁出口の圧力変化を測定した。その結果、全測定範囲において、副弁口径8mm程度で、全閉時の主弁ばね力を主弁中心の力で10N程度であれば、完全に水撃が防止できることが明らかとなった。またこの程度の主弁ばね力では、スイング形のみでなく一般に弁抵抗の大きいリフト形でも、通常使用しうる最大流量でも損失ヘッドが1m以下と極めて小さかった。さらにポンプ出口近くに口径65mmのバイパス管を取り付け、これに設けたバタフライ弁を空気圧シリンダで急に全開した場合の水撃実験も実施した。この場合は逆止め弁近傍の圧力が瞬時に大気圧近くまで低下し、極めて短時間に逆流が発生するので、水撃防止上極めて厳しい条件である。この場合はポンプ停止時より大きな水撃が発生するが、副弁口径を10また12mm程度に大きくし、主弁のばね力も多少増加させれば、容易に完全無水撃が達成できることが明らかとなった。また高周波コイルを利用した変位計を開発し、圧力変化と弁開度との関係、弁の閉鎖速度など弁の運動を解析した。
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