1986 Fiscal Year Annual Research Report
縦渦を生成する乱流プロモータによる強制対流の伝熱促進に関する研究
Project/Area Number |
61550150
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
土方 邦夫 東京工大, 工学部, 助教授 (60016582)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長崎 孝夫 東京工業大学, 工学部, 助手 (30155923)
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Keywords | 伝熱促進 / 管内乱流 / 縦渦 / 乱流プロモータ / スワール流 / 突起 |
Research Abstract |
ねじり方向を交互に変化させた有限長のねじり板を円管内壁に並べ、このプロモーターにより壁面近傍で縦渦を生成し伝熱を促進する方法について、その性能を明らかにすることを目的に、ねじり板のねじり角、高さ、および枚数を変化させ、その伝熱性能および流動特性につき実験的な研究を行った。 はじめに流れの様子をスモークワイヤー法により可視化し、対になった縦渦列が形成されることを確認した。さらに当初の研究計画に沿って、ねじり板により壁面近傍で縦渦を生成した時の熱伝達特性を数種のねじり角およびねじり板高さの場合について調べたところ、平滑壁に較べ平均熱伝達率が最大30%程度増加することが分かった。その局所熱伝達率分布の測定結果は、壁面熱伝達率がねじり板列下流のある距離のところで極大値をとることを示しており、ねじり板列により縦渦が形成されるが、必ずしも効果的でなく、ねじり板まわりで流れがはく離していること、そのため再付着近傍で熱伝達率が最大値を持ち、さらに管内圧力勾配の測定結果は、このはく離損失のために著しく増加することが明らかとなった。このため、送風機動力が同一の条件下でこの伝熱促進体の熱伝達率を平滑壁のそれと比較すると、熱伝達の促進率はプロモータの形状の差異にあまり依存せず0.9〜1の値をとり、圧力損失の増加を考慮するとそれほど効果的な伝熱促進体とはならないが、その原因は本研究で用いたねじり板が通常の乱流プロモータと異なり、伝熱面積の増加に寄与していないためと考えられる。しかし、この種の促進体は高温場でのふく射伝熱の促進には効果的である。 更に従来の促進体との比較のために、正方形突起を取り付けた場合についても同様な実験を行ったところ、ねじり板の性能と比較したところ、適切なねじり角と高さを選べばRe数の小さい領域で正方形突起より効率がよいことが分かった。
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