1986 Fiscal Year Annual Research Report

高速ディーゼル機関の給・排気系による性能の改善

Research Project

Project/Area Number	61550160
Research Institution	Kyoto University
Principal Investigator	嶋本譲京大, 工学部, 教授 (40032916)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	一色美博京都大学, 工学部, 助手 (90116434) 脇坂知行京都大学, 工学部, 助教授 (10089112) 金丸一宏京都大学, 工学部, 助手 (20026199)
Keywords	性能予測 / 過給機関のシミュレーション / 給 / 排気系 / 吸気弁孔流路 / スワール / 体積効率 / 三次元流動解析
Research Abstract	高速ディーデル機関について、性能向上を期待できる給・排気系を定量的に予測する手法の開発研究を行っており、本年度は以下の成果を得た。 1.排気タービン過給複合機関の性能予測に関しては、過給圧力の上昇とともに実用の対象となってくる複合機関について、過給機とのマッチングの良否、給・排気管系の動的効果の影響も含めて、最適な圧縮機と排気タービンの組合せを予測できるシミュレーションプログラムを完成した。これを用いて性能計算を行い、1段および2段過給機関について求めた性能との比較から、本プログラムの予測手法としての有用性を確認した。 2.可変吸気系と吸入特性の関係を把握するため、電気系回路と吸気系の間の相似性を調べた上で、電気系から得られた知見をもとに体積効率改善策を検討した。その結果をもとに、可変断面積をもつ吸気管と、回転一次圧力波発生源としてクランク室との利用を取り上げ、シミュレーションによる定量計算から、それらが体積効率の向上とその平坦化に有効なことを確めた。 3.四サイクル機関の吸気弁孔流路内の非定常ガス流動を、圧縮性粘性流体の三次元流れとして数値解析するための実用的計算プログラムを作成し、吸気弁孔流路形状がスワール生成および体積効率に及ぼす影響の予測を試みて来た。螺旋部の高さの異なる2種類のヘリカル形吸気孔モデルを対象に、定常状態での流動の計算を行ってスワール比および流量係数を求め、実験結果との比較を行った。流路形状の違いによるそれらの値の差異については、実験結果と定性的に一致した。しかし、定量的一致度は十分でないので、吸気弁出口での流れの向きに関する境界条件の改良を行った結果、スワール比に関しては、計算結果は従来の境界条件の場合よりも実験結果とよりよく一致するようになった。しかし、流量係数に関しては、さらに計算プログラムを改善する必要のあることがわかった。