1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61550168
|
Research Institution | Hokkaido Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤原 康博 北海道工大, 工学部, 助教授 (30048045)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
登坂 茂 北海道工業大学, 工学部, 講師 (80048058)
|
Keywords | ディーゼル機関 / 大気汚染 / 排出微粒子 / 多環芳香族炭化水素 / 生成機構 / 熱分解過程 / 重縮合過程 / ガスクロマトグラフ |
Research Abstract |
ディーゼル機関から排出される微粒子の生成機構を明らかにするために、基礎実験として燃料成分の分解、重縮合過程を調べた。まず燃料成分から微粒子が生成される過程を調べるために、ガスクロマトグラフを用いて燃料の分解成分である低沸点成分からその重縮合成分である多環芳香族炭化水素等の高沸点成分までを1本のカラムで分析するための条件を検討した結果、シリコンOV-101,30mのキャピラリーカラムを用い、低温付属装置を用いてカラム槽温度を5℃から昇温速度3℃/minで270℃まで昇温すればよいことが分かった。しかし。この分析条件では低温付属装置を用いても、低沸点成分である【C_1】〜【C_4】を分離することは出来なかった。そこでこれらの低沸点成分を分離するための分析条件を検討した結果、ユニビーズ2Sを用いることにより【C_1】〜【C_4】程度までの成分の分析が可能となった。 この分析条件を用いて、ガスクロマトグラフに熱分解装置を取り付けディーゼル機関の燃料である軽油ならびに重油を窒素雰囲気中で加熱し熱分解させた場合の加熱温度と分解、重縮合成分との関係を調べた結果、400℃付近から【C_1】〜【C_2】成分に分解される。また、600℃からはこれらの成分が重縮合してベンゼン,ジフェニール等の環状成分が生成されており、多環化が進行していることが明らかになった。また、炭素数が同じで分子構造の異なる成分の熱分解過程を比較すると、鎖状のパラフィン系成分が最も分解しやすく、つぎにシクロ系成分であるがアロマチック系のベンゼンは非常に安定でほとんど低沸点成分に分解せずに多環化の傾向が見られる。 また、赤外線ゴールドイメージ炉を用いた流動反応管を用い、窒素雰囲気中ならびに微量の酸素雰囲気中でプロパンならびにアセチレンを用いて850℃まで過熱した結果、多環芳香族成分が生成されるが固体状のすす粒子は確認されなかった。
|
Research Products
(1 results)