1986 Fiscal Year Annual Research Report
潜熱蓄熱材を組み込んだプレートフィン式熱交換器の特性
Project/Area Number |
61550169
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
岡田 昌志 青山学院大, 理工学部, 教授 (60082830)
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Keywords | 潜熱蓄熱 / プレートフィン / 熱交換器 / 直交流 / 廃熱回収 |
Research Abstract |
1.熱交換器の製作: 直交流型プレートフィン式熱交換器は、外寸9.5mm角,肉厚0.5mm,長さ300mmの銅製角管を31本並べ、これを90度ずらして10段重ねてはんだ付けし、一本おきに相変化物質(PVM)を封入して製作した。相変化物質としてnオクタデカン2.1kgを用いた。 2.実験結果: (1)定常時の特性 低温側,高温側の空気入口温度と流量を設定値に一定に保た定常実験を行い温度効率,熱通過率を求めた。低温側,高温側の流量が等く、入口温度のPCM融点との差が等いとき、理論上最高温度効率は0.5であるが、本熱交換器では約0.4であった。この値はプレートフィンを用いない場合より約10%高い。(2)蓄熱・放熱特性 上記の定常状態から高温側空気を止めて放熱実験を行い、低温側の入口出口温度差が10℃以下になったとき再び高温側空気を流して蓄熱実験を行った。高温側流量400l/min,低温側200l/min,高温側入口温度60℃,低温側10℃の様に、放熱実験開始時に全蓄熱材が融解している条件において蓄熱材が有効に利用されるが、この例では潜熱蓄熱の効果により約150分間低温側出口温度が25℃-23℃の一定範囲内に維持され、低温側空気は45kcal/h以上の熱量を得た。また蓄熱時間は放熱時間の約半分であった。入口温度および流量を変えて実験し、潜熱蓄熱材が有効に利用され、高温側空気流が断続しても低温側空気出口温度を維持するのに適した温度・流量条件を求めた。(3)周期特性 入口空気温度を高温側70℃低温側10℃,流量をもとに400l/minとし、1時間おきに高温側空気流量を断続する周期運動を行った。低温側空気出口温度変動は5℃以内であり、潜熱蓄熱材が有効に作用していることがわかった。 3.今後の計画 今後断続時間を変えた実験を行い周期特性をさらに明らかにする。
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