1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61550174
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
竹内 正顕 東海大, 工学部, 助教授 (70163384)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 巨 東海大学, 工学部, 講師 (40130877)
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Keywords | 衣料 / 蒸発放熱 / 体温調節 / 熱伝導 / 物質拡散 / 吸湿速度 |
Research Abstract |
繊維集合体の吸湿速度の測定と、寝床の就寝時の温湿度変化の測定を行ない、熱伝導方程式と物質拡散方程式に従って解析を行なった。以下、交付申請書の実施計画の項目番号に対応させて研究成果の概要を記す。 1.衣服素材の各特性値の測定 代表的な素材としてポリエステルわた,木綿わた,ウールわたの3種を選び、水分を吸収してゆく過渡現象を、吸湿が飽和する時定数と飽和水分量で表し、次の結論を得た;(1)吸湿過程は、概ね1次遅れ系として表わされ、時定数で評価できる。(2)時定数、飽和水分量とも素材によって固有の値を持つ。(3)時定数、飽和水分量とも、環境の相対湿度の関数として変化する。 なお、実験環境に敏感で、恒温・恒湿の条件が必要なことが明らかとなり、外部機関の助力を得て始めて実験を遂行できた。この不便から遂行が遅れた面もあるが、以下に述べる現象の基礎として、更に広範な測定を続けてゆく。 2.潜熱の出入を確認するための実験および解析 (1)吸湿量が微小なポリエステルわたは、高湿度の環境に入れられても、特異な温度上昇は示さない。(2)ウールわたと木綿わたは吸湿量が大きく、吸湿初期に顕著な温度上昇を示し、その後漸次環境温度に近づく。(3)上記現象は、吸湿された水蒸気の潜熱放出を仲介として、熱伝導方程式と拡散方程式を考えることによって合理的に解釈できる。 3.着衣円柱モデルによる伝熱量の計算 上記2の研究が旨くいったので、数理モデルよりは実際の人体のまわりの実験を行ない、そのデータを上記1,2の考え方に従って解析することに変更した。ポリエステルわた寝床に就寝したときの温湿度を測定し、この場合でも、熱伝導方程式と物質拡散方程式に適合した現象であることがわかった。
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Research Products
(2 results)