1986 Fiscal Year Annual Research Report
温度成層流中での,アクティブ・スカラーとパッシブ・スカラーの乱流拡散機構の相違
Project/Area Number |
61550176
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
植田 洋匡 公害研, その他, 研究員 (70026186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 武 国立公害研究所, 大気環境部, 研究員 (50142097)
光本 茂記 国立公害研究所, 大気環境部, 研究員 (20109903)
小森 悟 九州大学, 工学部, 助教授 (60127082)
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Keywords | 成層流 / 乱流拡散 / スカラー拡散 / アクティブ・スカラー / 乱流境界層 / バーガーズ乱流 |
Research Abstract |
温度成層乱流中では、温度変動が浮力を諸起して乱流構造および拡散機構を大きく変化させ、極端に強い成層状態では、温度勾配に逆らった方向への拡散(カウンターグラディエント拡散)さえ起こすことがある。本研究は、アクティブ・スカラーとしての熱の拡散する場をパッシグ・スカラー(微量の汚染物質など)が拡散する場合の、アクティブ・スカラーとパッシブ・スカラーの拡散機構の相違を明らかにすることを目的とする。本年度の研究成果は下記のとおりである。1.スカラー拡散機構に関する実験的研究:(1)濃度変動計測システムの開発、パッシブ・スカラー拡散場の濃度変動の空間的、時間的な微細構造を調べるために、レーザー螢光を利用した計測システムの第一段階として、1チャンネルの光ディテクターを持つ光学系システムと高速・大容量のデータ集録システムを完成させた。(2)乱流境界層流れを対象に、不安定成層状態での運動量・熱(アクティブ・スカラー)、トレーサーガス(パッシブ・スカラー)の乱流拡散場の構造を調べた。その結果、まず乱流状態でも間欠的ではあるが大規模な縦渦列が形成され、これが乱流拡散に支配的な役割を果していることが判明した。更に、アクティブ・スカラーとパッシブ・スカラーの拡散機構の相違は各々の拡散の経路と拡散距離の相違に起因することが明らかになってきた。2.クロージャー問題の定式化とモデリング:最も単純化された乱流であるバーガーズ乱流の理論を展開し、まず、パッシブ・スカラーの拡散方程式の厳密解を得るのに成功し、これを用いて数値計算によりランダム撹乱が乱流に還移していく際の拡散場を追跡した。即ち、パワースペクトル分布とその時間発展を調べ、それらへのプラントル数依存性を調べた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Hiromasa Ueda;Satoru Komori;Keisuke Fukui: Atmospheric Environment. 20. 757-762 (1986)
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[Publications] Hiromasa Ueda;Satoru Komori;Toshihiro Kitada: World Congress 【III】 of Chemical Engineering. 3. 678-681 (1986)
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[Publications] Satoru Komori;Hiromasa Ueda;Riichi Sawano: World Congress 【III】 of Chemical Engineering. 2. 320-323 (1986)
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[Publications] Takeshi Miyazaki: Fluid Dynamics Research.