1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61550184
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
沢登 健 山梨大, 工学部, 助教授 (40020424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 正信 山梨大学, 工学部, 助手 (00155855)
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Keywords | 円筒コイルばね / 横安定性 / 固有振動解析 / 数式処理 / 有限要素法 |
Research Abstract |
円筒コイルばねの合理的設計に関する研究の一環として、本年度はコイルばねの動的横安定性の実験解析を主に行った。コイルばねをばね中心軸方向に正弦的に圧縮した場合、ばね中心軸に対して横方向の運動が生起される現象、すなわちコイルばねの横不安定性の生ずる振動数範囲は、棒の動的座屈からの類推により、コイルばね横方向振動を主とする固有モードに対する固有振動数の整数倍の近傍であることが予想される。しかし、コイルばね横方向振動を主とする固有モードに対する固有振動数はピッチ角や端末条件を考慮しないと正確な結果を得ることが困難である。そこで、実験解析に先だってコイルばねの固有振動数を、曲率とねじれ率を有する空間曲線形構造要素の剛性行列と質量行列を用いて有限要素法により正確に求めた。なお、この計算の際に一部数式処理システムを活用したところ、従来の計算プログラムに比較してかなり簡潔なプログラミングが可能になり、今後本研究成果を生かしたコイルばね設計用のプログラムを作成する際の大きな指針を得た。 実験により得られた主な結果は以下のようである。 1.コイルばねの横不安定性の生ずる振動数は、ばね中心軸横方向振動を主とする固有モードに対する固有振動数の整数倍の近傍である。 2.コイルばねの横不安定性は、ばね中心軸横方向振動を主とする固有モードドに対する固有振動数だけでなく、ばね中心軸方向振動の振幅にも依存する。このため、コイル中心軸横方向振動を主とする固有モードに対する固有振動数の整数倍がサージング振動数に近い場合、横不安定現象が顕著に現れる。 今後、これらの実験結果を踏まえて、コイルばねの諸元、特にピッチ角、ばね指数、有効巻数などがばねの動的横不安定性に及ぼす影響を検討する予定である。
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