1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61550190
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田村 英之 九大, 工学部, 教授 (20037724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉武 裕 九州大学, 工学部, 助手 (40174916)
近藤 孝広 九州大学, 工学部, 助手 (80136522)
綾部 隆 九州大学, 工学部, 助手 (50127958)
深田 悟 九州大学, 工学部, 助教授 (40110837)
末岡 淳男 九州大学, 工学部, 教授 (80038083)
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Keywords | 回転体の振動 / 玉軸受 / 機械要素 / 回転精度 / 計算機シミュレーション / カオス / 不規則振動 |
Research Abstract |
玉軸受で支持された回転体が複雑な振動を発生することは古く知られているが、その原因は必ずしも明らかではない。玉と転走面の間に構成されるガタ付きヘルツ接触の呈する特異な非線形ばね特性とパラメータ励振による奇現象であろうと考えられて来たが未確認である。理論的には非線形振動問題を高精度で処理すること、実験的には工作誤差による雑音的な振動の要因を完全に除去することが宿命的問題とされている。この障害を一挙に解決するために、計算機シミュレーションを基調とする組織的かつ大がかりな研究を企画した。本年度の成果は次の通りである。 1.玉に作用する遠心力のばね的効果を高速高精度で計算するアルゴリズムとプログラムを完成した。 2.非線形力学系の定常振動解とその安定性を、微分方程式の直接数値積分を基調として数値計算するアルゴリズムとプログラムを改良した。 3.同上の問題に対して、調和バランス法を基調とするアルゴリズムとプログラムを改良拡張した。 4.以上の手法の精度を検証するため、数密解が既知の非線形問題の一つとしてDuffing方程式の自由振動解をとりあげ、その数値処理上の諸問題を詳論し、正確な解を容易に数値計算する手順を完成した。 5.この問題の一環として、逆べき級数展開法なる手法を開発した。 6.玉軸受で支持された回転体の最も簡単かつ基本的な力学系として、一個のラジアル玉軸受の内輪に質点ロータを取り付け、それがラジアル面内でふれまわり振動を行うモデルを取扱った。減衰が少く、ラジアルすきまが大なる場合に広い回転数域でカオス様振動が多発することが判明した。 7.次年度以降は、上記1.,6.を結合した問題を集中的に追及し要因と現象の因果関係と現象形態を解明する。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 田村英之: 日本機械学会論文集. 52-475. 85-858 (1986)
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[Publications] 田村英之: 日本機械学会論文集. 52-478. 1750-1757 (1986)
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[Publications] 田村英之: Bulletin of the Japan Society of Mechanical Engineers. 29-257. 3837-3845 (1986)
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[Publications] 田村英之: 九州大学工学集報. 60-1. 81-88 (1987)
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[Publications] 田村英之: 日本機械学会九州支部第40期総会講演会講演論文集. 878-1. 66-68 (1987)
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[Publications] 田村英之: 日本機械学会論文集. 53-486. 261-268 (1987)