1986 Fiscal Year Annual Research Report
圧縮点火機関-調速機系の安定性およびハンチングの非線形力学
Project/Area Number |
61550195
|
Research Institution | Saitama Institute of Technology |
Principal Investigator |
川副 嘉彦 埼玉工大, 工学部, 講師 (00102898)
|
Keywords | 振動 / 圧縮点火機関 / 調速 / ハンチング / 自励振動 / リミットサイクル / 速度制御 / 安定性 |
Research Abstract |
1.ピストンの作動にもとずく短周期波を無視し、燃料噴射過程を連続系として、サブベンチュリ負圧の遅れを考慮した閉ループ・機関・調速機系の線形化微分方程式を導き、実測値および非線形数値計算結果と対照して線形近似の適用限界を明らかにした。その内容は次記の三つに要約できる。 (1)サブベンチュリの遅れを考慮していない従来の線形理論が現実に適合しないのに比べて、上記線形理論はハンチング発生をよく予測できるが、ハンチング発生回転速度の下限値を予測することはできない。すなわち、非線形計算では平均回転速度650〜820rpmで大振幅を示し実測値と一致するが線形計算では850rpm以下の回転速度域ですべて不安定となる。 (2)不安定領域における振動数の線形理論による計算値は実測値にほぼ等しい。 (3)非線形計算による振幅の成長率の大小はハンチング(リミットサイクル)の振幅の大小と一致しているのに比べて、線形理論による不安定振動振幅の対数成長率は最大ハンチング時の750rpm近くで極大値を示すが、それ以下の回転速度域でもそれほど小さくならずほぼ一定である。最大ハンチング時の回転速度における振幅の対数成長率は非線形計算の場合の約2倍である。 2.平衡状態の不安定におよぼす諸因子の影響について線形近似計算により調べた。 3.リミットサイクルの振幅および振動数におよぼす諸因子の影響を非線形シミュレーション計算により調べた。 4.上記の研究結果を基にしてリミットサイクルの振幅と振動数を決める支配的因子を明らかにし、全体の系をできるだけ簡単な非線形系に抽象化してリミットサイクル生成機構を求める。
|
Research Products
(2 results)