1986 Fiscal Year Annual Research Report
パルストランスによる強制転流SCRブリッジ電流形調相装置の開発研究
Project/Area Number |
61550210
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
数野 寛 山梨大, 工学部, 教授 (80020337)
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Keywords | サイリスタ調相装置 / パルストランスによる強制転流 / 移相多重 / 遅・進制御切り換え / 無効電力処理能力 |
Research Abstract |
交流入力電流に含まれる高調波低減策として、移相多重方式を適用する場合、30゜移相2組の多重,20゜移相3組,15゜移相4組,10゜移相6組,…いずれを選択すべきか。多重度を上げれば高調波低減上は有利だが、入力変圧器構成の複雑さ、所要ブリッジ数の増加、制御パルス構成の複雑さから限度がある。制御の容易さ,残留高調波の程度,経剤性を考虜して20゜移相3組の多重を主体に変圧器,主ブリッジ,制御回路の構成を行った。各ブリッジ直流側を直列に結び直流リアクトルに接続した。リアクトルの大きさ(インダクタンス)と交流電流中の残留高調波の関係を理論的に検討し、直流リアクトルの固有容量と調相器としての無効電力の処理能力との関係を誘導し、リアクトル所要値の目安を与えた。調相装置としては進相、遅相両動作を兼ね備える必要があるので、C動作【→!←】L動作の切り換えを無駄な電力消費を伴わず、迅速,適確に行えるような方法を検討し、ブリッジの制御回路を構成した。はじめ複数のワンチップマイコン(8748)をマスタ部,スレーブ部に二分し、マスタに制御角設定、切り換え指令を、スレーブに進み動作としての制御パルス、遅れ動作としての制御パルス構成を分担させたが、マスタはスレーブの状態を知ることなしに一方的な制御を行うこととなり、複数のスレーブ間で競合がおこり動作が不安定となった。改善策として、制御角設定,切り換え指令,制御パルス出力を一つのCPUで行いうる高速多機能な処理能力を有する8096を採用することにより、安定,迅速,適確な切り換えを可能にした。トランジスタブリッジによりパルス電圧を発生し、パルストランスを経て主サイリスタブリッジに強制転流させる方式と従来の転流コンデンサ方式との是非を検討した。今後の検討課題としては、僅かに残る高調波の処理,要求に応じての所要無効電力の自動調整,高電力回路適用時の問題点の検討などがある。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 数野寛: 電気学会論文誌(D分冊).
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[Publications] 電気学会半導体電力変換方式調査専門委員会編: "半導体電力変換回路(第9章第1節)" 電気学会, 350 (1987)