1986 Fiscal Year Annual Research Report
気体中放電における電極からの放出電子の役割に関する研究
Project/Area Number |
61550218
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Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
光井 英雄 武蔵工大, 工学部, 教授 (30061493)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯野 一 武蔵工業大学, 工学部, 助手 (40168290)
岸田 治夫 武蔵工業大学, 工学部, 構師 (40061527)
曽彌 元隆 武蔵工業大学, 工学部, 助教授 (90061548)
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Keywords | 気体放電 / 電子放出 / 陰極表面 / 電極材料 |
Research Abstract |
61年度に予定していた研究計画は次の通りであり、各々の実績について以下に述べる。 1.高真空放電チャンバーの設計と製作:4〜6月に設計を行い、7月に理学電機にチャンバーの製作依頼を行った。装置の納期は9月を予定していたが、1か月遅れで10月に納品された。その後装置の調整や手直しが生じ、最終的な納品は11月中旬となった。 2.チャンバー内への二次電子増倍管の設置と電極の設計製作:二次電子増倍管は、浜松ホトニクス社のマイクロ・チャンネル・プレート(MCP)を購入し、装置納品後(11月)に設置した。今回用いた電子増倍管(MCP)は、入力電流に対し【10^6】程度の増幅率を持つものである。また、電極は従来から使用していた物を用いた。 3.作製装置の立ち上げならびに電子増倍管を用いた電子放出量の測定の予備実験:まず、電極設置用のフランジ等を取り付けた後、作製装置の真空度のチェックを行い、【10^(-7)】Torrの到達真空度を得た。その後、二次電子増倍管(MCP)による電子放出量の測定を銅,アルミニウム,鉄電極について行い、【10^(-18)】〜【10^(-13)】A程度の電流が測定可能であることがわかった。 4.予備実験結果の解析:前述の予備実験より得られた電流値から電子放出量を算出すると数10個程度となり、この程度の電子放出量は本実験により初めて測定可能となった。この結果は、昭和62年電気学会全国大会において発表する。 以上の様に、電子増倍管による電子放出量(数10個程度の電子放出量)の測定が可能になり、これら微小電流領域について電界放出の確認ができた。従って、今後は陰極表面からの電子放出の気体放電に及ぼす役割を詳細に検討していくことになる。
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