1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61550226
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
熊川 征司 静大, 電子工学研究所, 教授 (30022130)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 泰弘 静岡大学, 電子工学研究所, 助手 (00115453)
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Keywords | 三元半導体 / 大型混晶 / 回転振動結晶成長法 / 超音波振動導入結晶成長法 / 回転ブリッジマン法 |
Research Abstract |
二元の半導体結晶は主にGaAsを中心として飛躍的に大型化の研究が進んでいるが、三元混晶半導体はそのバンド幅や格子定数を自由に調整し得るにも拘わらず、液相線と固相線の乖離が大きいために大型結晶の成長は難かしい。本研究はかかる問題を解決するために、新たな結晶成長法を考案し、InSbとTe不純物,InGaSb,InBiSbの結晶を取り上げ研究を行ってきた。本研究によってこれまでに得られた成果は下記の通りである。 (1)種結晶を360゜以内で左右に回転させる、いわゆる回転振動結晶成長法を用いて、不純物としてTeを添加したInSb結晶を成長させた。拡がり抵抗測定結果から、Teがほぼ均一に分布していることがわかった。このことは成長界面の温度変動が少ないと、良質の結晶が成長することの知見が得られた。 (2)この結果を踏まえて、GaSb-InSbの三元組成の融液に超音波振動を与えながら、【In_x】,【Ga_(1-x)】Sbの三元半導混晶を成長させた。超音波振動を導入しない時にはxの値が0.01でも多結晶になったが、超音波振動の導入下ではxが0.05とかなり大きくなっても約10数mmの長さの単結晶が得られた。温度勾配等を検討することより、さらにx値の大きい大型結晶の成長は可能と思われる。x値の変化に伴なう膨張係数の相異から、成長結晶にクラックが生じる場合が多かったが、これは結晶の冷却速度を遅くすることによって解決できた。 (3)上に示した二つの結晶成長法は成長界面と融液が常に動的な状態で接していることから、次に回転ブリッジマン法を考案した。これは結晶成長用アンプルを横にして種結晶と融液を80〜100rpmで高速回転させ、電気炉温度をゆっくりと降下させて結晶を成長させる方法である。InBiSb三元混晶で約20mmの大型結晶を得た。アンプル管壁の影響で、途中から多結晶化したが、内壁処理で対処し得ると考えている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 熊川征司: 日本結晶成長学会誌. 13. 37 (1986)
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[Publications] 熊川征司: 日本結晶成長学会誌. 13. 49 (1986)
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[Publications] 早川泰弘: 第47回応用物理字会学術講演会講演予稿集. 767 (1986)
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[Publications] Masashi KUMAGAWA: Jpn.J.Appl.Phys.26. 180-181 (1986)
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[Publications] 早川泰弘: 静岡大学電子工学研究所研究報告. 21. 83-90 (1987)