1986 Fiscal Year Annual Research Report
二重励起光CVD法による二酸化珪素の低温成長とMOS構造の電子的性質
Project/Area Number |
61550229
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
奥山 雅則 阪大, 基礎工学部, 助手 (60029569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 博明 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (90144443)
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Keywords | 光CVD / 二酸化珪素 / 紫外光 / MOS / マイクロ波励起 |
Research Abstract |
真空紫外光と紫外光の二重励起光CVD法により二酸化珪素膜を作製し、さらにそのシリコンMOS構造の電気的特性について調べた。具体的にはジシラン、トリシラン、酸素を原料ガスとし、励起光源を重水素ランプ、共鳴線ランプ、低圧水銀ランプとして、二酸化珪素膜をシリコン基板上に室温から約350℃の温度で成長させた。ジシランと酸素を用いた成長では、重水素ランプと低温水銀ランプの二重光励起CVDにマイクロ波で励起した酸素ラジカルを導入して成長を行った。マイクロ波による励起は大きいもので、反応炉近くで励起したときの成長速度は同じ条件で重水素ランプ、共鳴線ランプ、低圧水銀ランプの光CVDのものより10倍程度大きくなった。そこでマイクロ波励起を少し離して成長を行ない、制御性を良くした。成長速度は基板温度上昇と共に少し下がる傾向を示し、気相中での反応は大きいことによるものと考えられる。赤外光吸収からSiH結合はマイクロ波励起によりなくなった。SiOHは光励起のない時は大きくなったが二重励起により再び減少した。そのシリコンMOS構造の界面電荷密度はマイクロ波励起のない時に比べかなり少さくなったが固定電荷密度は少し大きかった。さらにジシランより紫外光吸収の大きいトリシランと酸素を原料ガスCとして、二重励起CVDにより二酸化珪素膜を室温から約350℃でSi基板上に成長させた。成長速度、SiHやSiOHの結合量、MOSの界面電荷密度、固定電荷密度は基板温度と共に、ジシランの時と同様に減少する傾向を示した。しかし屈折率、エツチング速度は160〜250℃付近で最大となる特性を示した。これは膜の密度の増加とSiHやSiOHの結合量の変化に起因するものと考えられる。界面電荷密度は非常に小さくなり、3.6×【10^(10)】【cm^(-2)】e【V^(-1)】とCVDでは最小のものが得られた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Y.Toyoda: Japanese.Journal of Applied Physics. 26. (1987)
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[Publications] K.Inoue: Japanese Journal of Applied Physics. 26. (1987)
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[Publications] M.Okuyama: Japanese Journal of Applied Physics. 26. (1987)
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[Publications] 奥山雅則: Semiconductor World. 5. 79-84 (1986)
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[Publications] 浜川圭弘: "光励起ブロセスハンドブック第4章第5節 絶縁膜" (株)サイエンス フォーラム, (1987)