1986 Fiscal Year Annual Research Report
触媒CVD法による高品質アモルファス半導体の光学バンドギャップの制御
Project/Area Number |
61550230
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
松村 英樹 広島大, 工学部, 助教授 (90111682)
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Keywords | 触媒CVD法 / アモルファス半導体 / アモルファス-シリコン / アモルファス-シリコン・ゲルマニウム |
Research Abstract |
アモルファス-シリコン(a-Si)などのアモルファス半導体薄膜は、現在、Si【H_4】ガスをグロー放電分解することにより作られているが、膜がグロー放電によるプラズマ損傷を受けるという問題がある。本研究においては、原料ガスを熱触媒反応によりあらかじめ分解しておくことにより、プラズマを用いずに良質な薄膜を低温堆積するという、本研究者が「触媒CVD法」と名付けて提案した方法を用い、A-Siおよびアモルファス-シリコン・ゲルマニウム(a-SiGe)など光学バンドギャップの異なる良質なアモルファス半導体を製作することを目的としている。 具体的には、a-Si成膜時には中間状態種Si【F_2】と【H_2】混合ガスを、またa-SiGe成膜時にはそれにGe【F_4】ガスを加えたものをそれぞれ原料ガスとして用い、加熱したタングステン触媒体を試料基板近傍に設置した構造の装置により、基板温度300℃前後でa-Si,a-SiGe膜を堆積した。そして、作られた膜の光導電特性,スピン密度,赤外吸収特性などの諸特性が調べられた。 その結果として、1)触媒CVD法により、AM-1,100mW/【cm^2】光に対する光感度が【10^6】以上、スピン密度6×【10^(15)】【cm^(-3)】以下の極めて良質なa-Siが成膜できること,2)原料ガスとしてGe【F_4】ガスを添加することにより、その添加量に応じて光学バンドギャップを1.7eVから1.35eVへと狭くできること、3)また、そうしてできたa-SiGe膜の光感度は、光学バンドギャップ1.35eVの膜に対しても【10^3】以上と良好であること、などを明らかにした。
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[Publications] H.Matsumura: Jpn.J.Appl.Phys.25. L949-L951 (1986)
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[Publications] H.Ihara;T.Uesugi;H.Matsumura: Jpn.J.Appl.Phys.25. 1280-1283 (1986)
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[Publications] H.Matsumura;H.Ihara: Jpn.J.Appl.Phys.(1987)