1986 Fiscal Year Annual Research Report
複合金属蒸気反応による高融点金属材料の低温度高密度蒸気化と金属蒸気レーザへの応用
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61550269
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
谷口 宏 岩手大, 工学部, 助手 (00003880)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 弘 岩手大学, 工学部, 助教授 (80003846)
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Keywords | 複合金属蒸気 / 高融点高沸点金属 / 低温度蒸気化 / 金属蒸気レーザ / 昇華性金属塩 / 放電励起レーザ / 高効率レーザ動作 |
Research Abstract |
以下に研究の成果と今後の展望について箇条書きにして記す。 1.各種高融点、高沸点金属に、昇華性金属塩を作用させて放電励起し、400℃程度の低温度範囲で、共鳴捕獲が十分生じ得る高密度金属蒸気を発生出来、複合金属蒸気(MVC)反応を効果的に利用出来ることを確認した(電気関係学会、レーザー学会誌)。 2.銅蒸気レーザー(Cu-VL)に対して行ったレーザ下準位分布のクエンチング技術をAu-VLにも適用し、そのレーザ出力を増大(ピークパワー;約1.5倍、パルス幅;3倍)させ得た。更に各種金属蒸気レーザ(MVL)について、レーザ上,下準位分布のエンハンスメント及びクエンチング技術について、実験的理論的に考察し、MVLの効率改善と、レーザ出力パルス幅連続可変の可能性を見出した(応用物理学会、電気関係学会、ライダーシンポジウムにて報告)。 3.自作の自爆型ギャップスイッチ;GSのスイッチング特性について、AC(従来使用)及びDC駆動の比較実験を行い、DCかつ高電圧,大電流駆動においても良好な特性が得られ、このGSが安価で半永久的な動作寿命を有する高性能スイッチング素子であることを確認した。 4.レーザ動作の可能性を検討する際、レーザ遷移間の確率のみならず、この遷移間の反転分布形成を妨害する逆励起過程の有無、及び他準位へのbranching(ブランチング)ratio迄考慮して、放電励起回路との整合や、妨害遷移を抑制する技術を導入していかなければならないことが、多数準位間の遷移確率にも留意した検討結果から明らかになった。この様に、所望のレーザ遷移との競合過程の存在下にあって、効率的な放電励起を行うため、放電回路の低インダクタンス化(従来の放電立ち上がり時間を1/2に減少)、及び短パルス発生用電源の製作(進行中)等、装置の性能限界と改良点を見出すための検討(電気関係学会、電子情報通信学会誌)と共に、項目2.で述べた反転分布保持を助長する技術とを組み合わせて低温動作の各種MVL実現を目指す。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 斎藤弘: レーザ協会会報. 11. 5-11 (1986)
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[Publications] 斎藤弘: レーザー研究. 11. 16-24 (1986)
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[Publications] 斎藤弘: 研究報告 放送文化基金 放送に関する技術研究・開発. 10. 180-184 (1986)
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[Publications] 谷口宏: 研究報告集. 4. 9-11 (1987)
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[Publications] 狩野利之: The Transactions of the IECE of Japan Section E. (1987)