1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61550275
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤井 陽一 東大, 生産技術研究所, 教授 (00013110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒川 泰彦 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (30134638)
榊 裕之 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (90013226)
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Keywords | 超薄膜 / 電気光学効果 / 複屈折 / 光変調 / GaAs-AlGaAs |
Research Abstract |
異なる屈折率を有する材料を交互に配置した構造の膜の厚さが非常に薄く、光の波長に比べてきわめて小さい時、通常の構造複屈折よりも異常に大きい複屈折が生ずる可能性があることを見いだした。このような光学的性質を実現するためには、いくつかの材料が考えられる。その材料の一つとして、MBE法によってつくられるGaAs-AlGaAs超薄膜についてその可能性を検討した。また、このような超薄膜における電磁波の共振現象について理論的な考察を加えた。更に、この理論的考察を実証し、それを実用性の高い光デバイスとして実現するための条件について考慮した。 超薄膜構造の光学的性質の検討と電磁界解析:超薄膜構造を有する誘電体の複屈折性について解析を行った。その結果、非常に小さい屈折率差を有する超薄膜に於ては、微小な屈折率差の多重の集積によって、強い反射が生じ、これによって、往復反射が生ずるから、ある特定の周波数のところで、強い共振が起こることを立証した。電気光学効果についても、理論的に検討し、積み重ね効果によって、電気光学効果が強調される可能性を指摘した。実験的に、ニオブ酸リチウムについてその電気光学効果係数を測定し、膜厚依存性を明かにした。 超薄膜複屈折材料の製造と評価:GaAs-AlGaAs系の材料について、この超薄膜構造の設計を行った。MBE法によって得られたGaAs-AlGaAs超薄膜について、その屈折率変化を、エリプソメータによって測定した。またこれによる測定精度について検討を加えた。 超薄膜構造の光学材料としての特性の評価と応用可能性の検討:量子井戸構造におけるエキシトンの影響を利用した光位変調器の原理を提案し、基礎特性をもとめた。
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[Publications] Yoichi FUJII: Applied Optics. Vol.25 No.7. 1061-1065 (1986)
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[Publications] Yoichi FUJII;C.D.HUSSEY: IEEE Proceedings. .4Vol.133 No. 249-255 (1986)
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[Publications] 小路元,荒川泰彦,藤井陽一: 電子通信学会 光・量子エレクトロニクス研究会. OQE86-159. 95-101 (1987)
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[Publications] 大塚由紀子,胡力,藤井陽一: 微小光学会議 第23回特別研究会. (1987)