1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61550282
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
鈴木 登紀男 慶応大, 理工学部, 教授 (40050926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千野 直一 慶応義塾大学, 医学部, 講師 (90051531)
富田 豊 慶応義塾大学, 理工学部, 講師 (50112694)
堀内 敏夫 慶応義塾大学, 理工学部, 教授 (80051019)
南谷 晴之 慶応義塾大学, 理工学部, 助教授 (70051779)
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Keywords | 機能的電気刺激 / 関節角制御 / 筋張力制御 / システム同定 |
Research Abstract |
本研究では、脊髄損傷や脳障害などにより完全な上下肢を有しながら機能欠如に陥っている患者に対し、神経又は筋肉を電気刺激し、筋張力、関節角を制御できる機能的電気刺激システムの開発を行った。 試作開発したシステムは、マイクロコンピュータ,電気刺激回路,張力及び角度センサ,AD変換器,DA変換器から構成され、これを用いてヒトの下肢を対象に、とくに足首関節角及び張力の制御実験を行った。関節角のフィードバック制御については制御対象の特性をシステム同定し、北森法にもとづいて設計された制御器によって容易に制御される方法を取り入れた。一方、筋張力のフィードバック制御については、ディジタルPID制御器,モジュレータ,上記の刺激装置,センサ,マイクロコンピュータからなる制御システムを構成し、これによって定常偏差が少く、速応性をもった下肢筋張力の制御を可能ならしめた。刺激電極には一対の金メッキ電極を用い、膝関節裏にて座骨神経を刺激し、腓腹筋の収縮を行わしめた。刺激条件として周波数50Hz,パルス幅300Msec,正負間隔1msecの両極性電流パルスを用い、電流振幅を変化させることによって筋張力及び関節角の度合を可変にした。実験結果より、従来、問題となっていた生体の個体差による特性のバラツキを考慮することなく、より良い再現性が得られること、疲労による特性の劣化に対してフィードバック補償できたことなど、価値ある成果が得られた。 今後の研究において、(1)マルチチャネル刺激装置を開発し、(2)これにより多点刺激を行い、より滑らかな動作応答を得る、(3)それに伴なう制御系の設計ならびに制御プログラムの拡張を行う、(4)負荷状態を考慮した関節角ならびに筋張力制御を行う、(5)足首の運動制御から膝関節制御への拡大をはかる、などの諸問題に取り組む予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kinya FUJITA: Proceedings of 14th International Conference on Medical and Biological Engineering(Espoo,Finland). 1. 627-628 (1985)
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[Publications] 藤田欣也: 電子通信学会論文誌. J69-D. 1971-1978 (1986)
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[Publications] 板倉直明: バイオメカニズム学会講演論文集. 41-44 (1986)
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[Publications] 藤田欣也: バイオメカニズム学会講演論文集. 45-48 (1986)
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[Publications] 藤田欣也: 電子通信学会論文誌. (1987)
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[Publications] 板倉直明: 電子・情報通信学会論文誌. (1987)