1986 Fiscal Year Annual Research Report
高速摺動集電のインパルス性雑音電流スペクトル波を用いた離線放電発生頻度の測定法
Project/Area Number |
61550297
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤原 修 名古屋工大, 工学部, 助教授 (60135316)
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Keywords | 摺動集電系 / 放電発生頻度 / 離線率 / パンタグラフ / 雑音電流 / 帯域フィルタ / インパルス応答 / アルゴリズム |
Research Abstract |
電車集電部の離線に伴う放電の発生頻度を測定することは、集電性能はむろんのこと、集電材料の摩耗量や電波雑音・騒音発生量などを予測・評価する際に役立つ。本研究の目的は、摺動集電系における離線放電発生頻度(離線率)の集電部高周波電流(雑音電流)を用いる新規な測定法の開発にあり、61年度では離線アークを対象として理論・実際の両側面から検討を行った。結果の概要は次のとおりである。測定原理は、パンタグラフの雑音電流に対するガウス型帯域フィルタのVHF帯1周波インパルス応答のうち一定許容範囲に入る連続二組の極大間隔が放電継続または消滅時間に対応することを利用し、これらの逐次測定に基づいている。まず、計算値シミュレーションにより、離線率は放電生起回数と無関係にほぼ正しく測定し得ることを確認した。つぎに、測定原理に基づく放電率の概算推定式を導出し、これの計算値とシミュレーション結果との比較から本測定法の理論的な妥当性・有効性を裏付けた。さらに、通常多用される非ガウス型帯域フィルタを使用した場合の測定誤差を検討し、このとき誤差改善も可能とする測定法としてフィルタ応答包絡線の離散値データを用いたアルゴリズムを考察した。以上の結果を実験的に検証するためにスペクトル波形解析装置を製作した。この装置はスペクトルアナライザとその中間周波出力(スペクトル)を増幅・A/D変換するためのインタフェース回路および波形解析用のパーソナルコンピュータとからなる。装置動作は繰り返しパルスと擬似ランダムパルスのデューティ比の測定により確認した。摺動接点を用いた実験から、微小アークのない条件で本測定法の妥当性は確認できたが、微小アークの発生する条件では測定誤差が大きいこと、この原因はノイズの重畳した離散値データの処理過程で生ずること、などがわかった。現在、離散値データの統計的検定を応用したノイズ除去法の検討を行っている。
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[Publications] K.Yamashita;O.Fujiwara;Y.Amamiya: Trans.IEICE,Japan(電子通信学会英論文誌). E69. 488-490 (1986)
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[Publications] 藤原,山下,加藤,阿座上: 電子通信学会論文誌. J70-C. (1987)
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[Publications] 山下,藤原,加藤,阿座上: 電子情報通信学会論文誌. J70-C. (1987)
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[Publications] K.Yamasita;O.Fujiwara;K.Katoh;T.Azakami: Trans.IEICE,Japan(電子情報通信学会英論文誌). E70-C. (1987)
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[Publications] 山下,藤原,加藤,阿座上: 電子通信学会環境電磁工学研究会技術報告. 86. 45-49 (1986)
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[Publications] 山下,藤原,加藤,阿座上: 電子通信学会環境電磁工学研究会技術報告. 86. 9-13 (1986)