1986 Fiscal Year Annual Research Report
移動式クレーンブームの弾性のたわみを考慮したモデリングと制御方式の研究
Project/Area Number |
61550302
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
坂和 愛幸 阪大, 基礎工学部, 教授 (10029374)
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Keywords | 移動式クレーン / ブームのフレキシビリティ / フィードバック制御 / シミュレーション |
Research Abstract |
1.移動式クレーンの弾性たわみを考慮した動持性のモデリング トラック・クレーン,クローラ・クレーンなどの移動式クレーンは建設現場や港湾などで広く用いられている。その基本動作は、荷重巻上げ,ブーム起状,および旋回の3動作であり、3次元空間の任意の点から任意の目標位置へ荷を運ぶことができる。短時間内に荷を望む位置に移行させ、しかも移行途中の荷振れを小さくし、終端での残存荷振れをできるだけ速く減衰させるような自動運転を達成することが目的である。そのためにはクレーンのできる限り正確なモデルを作ることがまず必要であり、ブームに集中的なフレキシビリティがあると仮定してその動的なモデルを導いた。荷重の振れ角およびブームの弾性たわみは小さいと仮定しても、その動的モデルは相当複雑な非線形徴分方程式で表わされ、12次の状態方程式を導くことができた。 2.制御方式とシミュレーション 荷重巻上げ、ブーム起上、および旋回用の3個のモータのトルクが制御入力である。トルクの開ループ制御を行って荷重を目標位置の近傍まで運び、その後は閉ループ制御を行って荷振れ振動を減衰させるような制御方式を採用した。目標状態において非線形状態方程式を線形化し、かつ測定可能な出力からシステムの状態を推定するためにオブザーバを用いた。線形化状態方程式に基づいて最適レギュレータを設計し、オブザーバで推定した状態のフィードバック制御を行った。 計算機によるシミュレーションの結果では、フィードバックの効果は顕著であり、残存荷振れはかなり速く減衰して、所定の目標状態に漸近することが確められた。
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[Publications] Y.Sakawa: Analysis and Algorithms of Optimization Problems,Lecture Notes in Control and Information Sciences. 82. 163-167 (1986)
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[Publications] Y.Sakawa: Int.J.Control. 44. 299-313 (1986)
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[Publications] Y.Sakawa: Proc.of the Fourth IFAC Symposium on Control of Distributed Parameter Systems,1986. 63-67 (1986)
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[Publications] F.Matsuno: Proc.of Japan-U.S.A Symposium on Flexible Automation,1986. 127-130 (1986)
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[Publications] F.Matsuno: Int.J.Robotic Research. 6. (1987)
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[Publications] 森田孝司: 計測自動制御学会論文集. 22. 69-75 (1986)