1986 Fiscal Year Annual Research Report
昆晶半導体用瞬時電気・光学分光評価装置に関する研究
Project/Area Number |
61550304
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
本郷 昭三 神戸大, 工学部, 助教授 (00029232)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 真人 神戸大学, 工学部, 助手 (40177142)
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Keywords | 化合物半導体ヘテロ接合 / 過渡容量分光法 / 瞬時分光システム容量法 / 格子ミスマッチ / インジウムガリウムヒソリン / インジウムガリウムリン |
Research Abstract |
本研究では、OEIC(光・電子集積回路)の材料として、期待が持たれるInGaAsP/InP系及びInGaAs/GaAs系の【III】-【V】族化合物半導体のヘテロ接合を検討対象とし、瞬時電気的分光システムを用い、個々の半導体中に存在する欠陥の評価を行い、次いで、ヘテロ界面付近に存在する欠陥の評価、最後に、これらの欠陥とヘテロ接合の電気的性質との関連性を実験面から検討した。 解析手法としては、主に、過渡容量分光法(Deep Level transient Spectroscopy:DLTS法)、電圧-容量法の温度変化、電圧-電流特性を適用した。 測定対象となるInGaAsP/InP或は、InGaAs/GaAsヘテロ接合ダイオードの電圧パルス印加後の過渡容量変化を、高速AD変換して、コンピュータに取り込み、素子温度の関数として、解析し、ヘテロ接合界面及び個々の半導体中の欠陥の活性化エネルギー、密度分布状態等のパラメータを求める測定を行った。この測定の為に上記のパラメータを導出するソフトウェアシステムを開発している。また、研究題目に掲げた、瞬時分光システムの内、電気的な部分は、得られた結果から、上記システムを更に、改良して、実現可能である事が明かとなった。 現在までのところ、本システムを測定対象となるInGaAsP/InP或は、InGaAs/GaAs系に適用した結果、それぞれのヘテロ接合系で、InGaAsP及び、InGaAs中に存在する固有欠陥をそれぞれ観測している。また、ヘテロ接合界面には、各々の系に特有な界面欠陥が存在していることも確認している。特に、InGaAs(In:0.93%)/GaAs系では、両者の間に7%程度の格子ミスマッチが存在しているが、上述の固有欠陥は、このミスマッチに起因するものと考えられる。
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