1986 Fiscal Year Annual Research Report
スイッチングレギュレータのCADによる最適設計に関する研究
Project/Area Number |
61550306
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
二宮 保 九大, 工学部, 助教授 (10037939)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲木 昭彦 九州大学, 工学部, 助手 (80161074)
東 徹 九州大学, 工学部, 助手 (80165076)
原田 耕介 九州大学, 工学部, 教授 (90037705)
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Keywords | スイッチングレギュレータのCAD / DC-DCコンバータ / リアクトル / 平滑コンデンサ / 巻線の寄生抵抗 / 多重帰還制御方式 / スイッチングレギュレータの高周波化 / 共振形コンバータ |
Research Abstract |
スイッチングレギュレータは電力変換部(DC-DCコンバータ)と帰還制御部から構成され、電力変換部に対しては、隆圧形、昇圧形、昇降圧形を基本とする各種の回路方式が用いられる一方、帰還制御部についても、出力電圧を帰還信号とする一般的な方式以外にも、各部の電流を帰還する、いわゆる多重帰還制御方式が提案されている。スイッチングレギュレータの静特性や動特性はこれら電力変換部と帰還制御部の相互関係により決定されるので、両者の組合せにより多種多様なスイッチングレギュレータが構成される。本研究では、まず、最も基本的な昇圧形コンバータに対し出力電圧のみを帰還する場合を対象に、出力電圧精度及び安定条件を含む動特性を拘束条件としてリアクトルのインダクタンス値と平滑コンデンサのキャパシタンス値の有効範囲を決定するプログラムを作成した。その際、リアクトル巻線の寄生抵抗が、高周波領域では表皮効果や近接効果の影響を強く受ける一方、これらの評価式が明らかにされていないため、実験データを用いなければならなかった。スイッチング周波数の最適値を求める議論には、巻線の表皮効果や近接効果の機構を解明し、それらの評価式を得ることが必要となる。次いで、帰還制御方式として出力電圧のみならずリアクトル電流の交流分を帰還する方式の効果について昇降圧形コンバータを対象に検討を行った。その結果、電流帰還定数を増加することにより安定性を改善でき、その分電圧帰還定数を大きく設定できるため、コンバータの静特性及び動特性の改善に有効であることを明らかにした。又、これらの関係の定式化を行った。更に、スイッチングレギュレータの高周波化に伴って、電力変換部の新方式として注目されている共振形コンバータの動作特性を検討した。これは、従来のPWM方式とは異なり解析が困難であるため、特性解析プログラムを含めてCADを検討することが必要となる。
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[Publications] 二宮保: 九州大学工学集報. 59巻6号. 805-813 (1986)
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[Publications] 二宮保: 電子情報通信学会技術研究報告. 86巻336号. 19-23 (1987)
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[Publications] 二宮保: 電気学会論文誌D. 107巻3号. (1987)
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[Publications] 二宮保: 日本応用磁気学会誌. 11巻2号. (1987)
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[Publications] 二宮保: IEEE Power Electronics Specialists Conference Record(18th). (1987)