1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61550315
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
辻 勇 九大, 工学部, 教授 (80037697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊貞 雅宏 九州大学, 工学部, 助教授 (30188817)
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Keywords | 線状加熱加工 / ガス炎の熱効率 / 熱量分布 / 温度解析 / 角変形量 / 有限要素法 / 2次元熱弾塑性解析 |
Research Abstract |
船体の曲面を構成する鋼板の成型加工や溶接による変形の矯正にガス炎による線状加熱加工が広く用いられているが、これに関する解析的な研究は極めて少なく作業は専ら経験的な判断に依存して行われているのが現状である。本研究では、まずガス炎による鋼板加熱時の加熱条件と温度分布ならびに変形量の関係を実験的に調査して現象を支配する要因の影響を明らかにし、次に有限要素法による2次元熱弾塑性解析を行って加熱条件と塑性ひずみ分布ならびに変形量との関係を検討した。ガス炎による鋼板加熱時の温度分布を解析的に求めるには、ガス炎の熱量分布や熱効率を推定する必要がある。鋼板の板厚を12,16,19mm,アセチレン流量を16〜48l1min,加熱速度を0.25〜1.00cm/secの範囲で変えた実験を行い、温度計測結果から熱源の熱量分布と熱効率を推定した結果、次のようなことが明らかになった。(1)ガス炎による鋼板加熱時の熱量分布は2種類のガウス分布の重ね合わせで近似的に表わされ、両者の熱量比はガス流量にほぼ無関係に一定である。(2)熱効率は、アセチレン流量、鋼板の板厚、加熱速度などによって44〜69%の範囲で著しく変化するが、実験結果を用いて推定することが可能である。(3)熱源の熱量分布範囲はほぼアセチレン流量のみで決まる。(4)上記の実験結果を用いて計算により求めた温度分布はかなり良く実験値と一致した。移動熱源による加熱時の鋼板の変形は本質的には3次元問題となるが、加熱線に垂直な板の横断面内の2次元熱弾塑性問題として有限要素法により加熱条件と塑性ひずみならびに変形量との関係を調査した結果、加熱の初期に生じる加熱面側に凸となるような角変形を拘束すれば近似的に現象の取扱いが可能であり、およそ450℃以上となる温度範囲に2%の固有ひずみが存在すると仮定すれば変形量をほぼ予測できることがわかった。
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