1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61550319
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
経塚 雄策 九大, 応用力学研究所, 助教授 (80177948)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 昌彦 九州大学, 応用力学研究所, 助手 (40155859)
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Keywords | 動揺軽減 / 波強制力 / 能動式制御 / 海洋構造物 |
Research Abstract |
本研究は、海洋構造物を構成する要素部材あるいは外部力学系を動的に制御することによって、波浪中の海洋構造物の動揺を軽減しようとする試みであるが、今年度は主として2次元問題として理論計算を行った。例として、箱型の作業船を想定しその側外板の一部がフラップ動する時の各種の流体力波強制力などを計算した。それらを使って、波浪中で上下揺、左右揺および横揺を無くするために必要な側外板の動揺を計算するとともに、制御系として側外板に加わる流体力を入力、側力板の動揺を出力とする場合の理想的な伝達関数を求めた。その結果、計算例とした箱型作業船については1.上下揺の特に長周期域の動揺を止めるためには側外板が極端に大変位動揺する必要があり現実的でない2.左右揺を止める横揺についても無制御時の約半分となり好ましい。3.横揺を止めると長周期域において左右揺へ悪影響が生ずる。4.側外板へ要求される動揺の大きさは、左右揺を止める場合が最も小さく短波長域の方が実現性が高い。などがわかった。 これらの理論結果を確認するため、箱船模型(L×B×d=1m×0.4m×0.2m)を製作し水槽実験を行った。側外板の駆動は直流モータとクランク機構とし、その伝達部に検力計を設けて側外板に加わる流体力を計測した。はじめに、機械系の動きの調整と検力計の性能確認のため静止水面上での動揺実験と模型を拘束して、波強制力を計測した。その結果、流体力については大略、理論計算と同様な結果を得たが、波浪中の動揺制止実験に移るには、特に機械系から生ずるノイズ対策が必要であると感じられ、現在も研究を続行中である。
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