1986 Fiscal Year Annual Research Report
両端を拘束した鋼橋の上部工と下部工及び地盤の相互作用に関する研究
Project/Area Number |
61550324
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
鳥居 邦夫 長岡技科大, 工学部, 助教授 (00126476)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 清宏 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (50168126)
小長井 和男 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (50126471)
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Keywords | 橋梁 / 耐震 / 支承 / 動的相互作用 / 弾性波動 |
Research Abstract |
橋梁の可動支承や伸縮継手は車の走行性、製作コスト、耐震性、耐久性等いずれの点についても望ましい構造ではなく、これを除去しうる可能性を示すことが本研究の最終的な目標である。そのためには橋梁の上部工、下部工、地盤をも含めた全体構造系の解析を効率的に行なう必要がある。本年度は、動的解析を行なうにあたって最も定式化の困難な下部工を支持する地盤剛性のモデル化について理論的に、あるいは実験的に検討を進めてきた。その結果.杭.アバット接地面から放射される波動の拡散をいくつかのパターンに分類し、それぞれに応じた等価な力学モデルを提示することができた。従ってこれらの等価なモデルを組み合わせることで多様な構造形式の下部工に対して、これを支持する地盤の剛性を広範な周波数領域で表現することが可能になった。この等価モデルは、バネ、ダッシュポット、及びマスの組み合わさった形で表現されるため、周辺地盤が地震時に非線形化する様子も、これらの構成要素を表現する定数を時々刻々変化させることで解析することが可能となる。これまでに得られた知見を整理すると以下のようになる。 1.フーチング基礎のスティフネスについては、これを等価なフォークトモデルに置換しうるが、そのバネ定数はフーチングの周長に、またダッシュポットの減衰定数は接地面積にほぼ比例する。 2.杭基礎のスティフネスについては円筒状に拡散する波動が卓越するため、これを2連あるいは3連のフォークトモデルで置換することができる。 現在、これまで得られたモデル化の指針に従って全体系の動的応答を、応答変位法で追跡するプログラムを開発中であり、今後は様々な地震入力を想定した数値実験をくりかえし、両端固定.両端埋込橋梁の実現の可能性について、データを集積する予定である。
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