1986 Fiscal Year Annual Research Report
横締して一体化されたプレキャストPCロックシェッドの落石による挙動に関する研究
Project/Area Number |
61550325
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
吉田 博 金沢大, 工学部, 教授 (70019727)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桝谷 浩 金沢大学, 工学部, 助手 (20157217)
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Keywords | プレキャスト構造 / 落石 / ロックシェッド / 衝撃係数 / 横締め / せん断スリップ |
Research Abstract |
本研究は、横締して一体化されたプレキャストPCロックシェッドの落石による挙動を明らかにすることを目的として行なわれた。本研究では、最初に研究代表者等がこれまでに行なった約1800回余りの落石実験より得られた、落石による衝撃加速度および衝撃土圧などの時間的変化を表わす波形データを統計的に評価し衝撃力のモデル化を行なった。次に、プレキャストPC部材を組立てて製作されたプレハブPCロックシェッドを有限要素法により解析するための妥当な解析モデルを開発し、これと衝撃力モデルを用いて、プレハブPCロックシェッドの動的応答解析を行ない、実物実験結果との比較検 を行なった。また、構造の諸元を変化させてシミュレーションを行ない、動的挙動に与える構造の影響を検討した。これらの研究成果に基づき、プレハブPCロックシェッドの合理的設計のための設計荷重のとり方、設計のための解析方法などの提案を行なった。 これらの一連の研究の結果、以下の結論を得た。 (1)落石による衝撃力は、重錘の質量、落下高さの他にサンドクッション材の特性に起因すると考えられる荷重の作用時間にも大きく影響されることが明らかとなり、衝撃力は、重錘の質量、落下高さと作用時間により精度よくモデル化することができる。 (2)PCロックシェッドの解析では、偏心補剛された面内変形を考慮した板の曲げモデルを用いた計算値は、実験値とよく一致する。 (3)ロックシェッドのスパン中央鉛直変位より求まる衝撃係数は荷重作用時間tと固有周期Tとの比に大きく依存し、t/Tの増加に従って大きくなる。 (4)荷重が大きい場合、スリップを考慮したモデルを用いたモデルにより解析を行う必要があり、そのモデルは、PC部材の接合方法により大きく異なり、さらに研究を進める予定である。
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[Publications] 吉田博: 第2回落石の衝撃力およびロックシェッドの設計に関するシンポジウム論文集. 【II】. 1-8 (1986)
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[Publications] 吉田博: 第2回落石の衝撃力およびロックシェッドの設計に関するシンポジウム論文集. 【II】. 58-63 (1986)
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[Publications] 桝谷浩: 第2回落石の衝撃力およびロックシェッドの設計に関するシンポジウム論文集. 【II】. 64-70 (1986)
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[Publications] 桝谷浩: 土木学会昭和61年度全国大会講演概要集. 【I】. 341-342 (1986)
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[Publications] 井原朋美: 土木学会中部支部昭和61年度研究発表会講演概要集.
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[Publications] 吉田博: 構造工学論文集. 33A. 571-585 (1987)