1986 Fiscal Year Annual Research Report
ケミカルプレストレスを複合したPRC部材の力学的特性
Project/Area Number |
61550333
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
辻 幸和 群大, 工学部, 助教授 (50048922)
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Keywords | 膨張コンクリート / ケミカルプレストレス / プレストレストコンクリート / 鉄筋コンクリート / プレストレス / 曲げ / PRC |
Research Abstract |
本研究では、まず膨張コンクリートの利用により鉄筋コンクリートにケミカルプレストレスを導入し、その後PC鋼材を緊張して機械的なプレストレスを導入した新しいタイプのプレストレスト鉄筋コンクリート(PRC)はりの力学的特性を実験的に検討した。実験はT形断面はりを主体とし、1部矩形断面も追加した。また、機械的なプレストレスが与えられた状態での膨張コンクリートの膨張特性およびクリープ特性を検討するため、断面が10×10cm,長さが40cmの角柱供試体による実験を行った。本研究より、次のことが明らかになった。 1.膨張作用による圧縮強度の低下がほとんどない単位膨張材量を40kg/【m^3】用いたPRCはりでは、曲げひびわれ発生モーメント,引張鋼材のひずみ曲げひびわれ幅,およびたわみのいずれについても、ケミカルプレストレスの優れた効果が確認できた。 2.膨張作用により圧縮強度が約10%低下した単位膨張材量を50kg/【m^3】用いたPRCはりでは、膨張材の使用量の増加に比較して、はりの力学的特性に及ぼすケミカルプレストレスの効果が小さかった。 3.ケミカルプレストレスおよび機械的プレストレスが、はりの力学的特性に及ぼす効果は、本研究で開発した、はり断面を積層要素に分割する計算プログラムにより、評価することができた。 4.材令1日に与えた機械的プレストレスが75kgf/【cm^2】までの範囲において、膨張コンクリートのクリープと弾性変形を考慮した仕事量は、拘束鋼材比が大きいほど、大きく算定された。このことは、普通コンクリートに比較して、若材令時における膨張コンクリートのクリープとヤング係数が優れていることを示すものと考えられる。
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Research Products
(2 results)