1986 Fiscal Year Annual Research Report
曲げを受けるIII種PCばりの疲労設計法に関する研究
Project/Area Number |
61550340
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松下 博通 九大, 工学部, 講師 (10038036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧角 龍憲 九州大学, 工学部, 助手 (20136534)
出光 隆 九州工業大学, 工学部, 助教授 (30039078)
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Keywords | プレストレストコンクリート / 疲労 / 疲労寿命 / 疲労限界状態 / 鋼材指数 / 疲労設計法 / 【III】種PC |
Research Abstract |
鋼材比を2とおりに変化させて作成したポストテンションPCばりの疲労試験を行い、疲労寿命や破懐形成を調べるとともに、荷重繰り返しに伴う引張鉄筋、PC鋼材のひずみ変化ならびに断面の各位置におけるコンクリートひずみの変化を載荷時および除荷時に測定し、疲労限界状態の検討に用いる各構成材料の寿命算定式の妥当性について検討した。 PCばりの寸法は、幅10cm×高さ20Cm×長さ2.2mで、過大な鋼材比のはりA(q=0.499)とほぼつり合い鋼材比に近いはりB(q=0.331)の2種類の鋼材比として、引張鉄筋に、はりAでは2-D22を、はりBでは2-D16をそれぞれ配置した。PC鋼材にはいずれもφ13mmを1本用い、有効プレストレスを引張強度の約67%とした。コンクリートの圧縮強度は450Kgf/cmを目標とした。静的載荷試験において、はりAおよびBの破壊形式は、それぞれコンクリートの圧縮破壊と引張鉄筋の降状に伴う圧縮破壊と異なるものであった。疲労試験は、はりAでは最大荷量を変化させて、はりBでは最大荷重とともに最小荷重も変化させ、スパン2mせん断スパン0.9mの2点載荷で行い、いずれのはりも引張鉄筋の破断により疲労破壊した。本実験の範囲内で得られた結果ならびに考察をまとめると次のようになる。 1.鋼材指数にかかわらず、引張鉄筋およびPC鋼材の応力は、荷重繰り返し初期から疲労破壊する直前までほぼ一定であった。このことから、断面内の圧縮合力の大きさおよびその作用位置も繰り返し荷重により変化せず、ほぼ一定であると考えられる。 2.載荷重によるたわみ量は、荷重繰り返しによりほとんど変化しないが、残留たわみは繰り返し回数にほぼ比例して増加しており、今後はりの残留応力を検討する必要があると考えられる。
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Research Products
(1 results)